2017年01月28日

【文章の書き方】書き始める

3. 書き始める

書く順序(構成)は決まりましたか?

構成に絶対的なルールはありませんが、「伝わりやすい文章」の原則はあります。

最初の項目で「テーマ」(何を話すか)が伝わる順序がいいでしょう。

歌でいうと、いきなりサビから始まる感じですね。

「そんな、おいしいサビをいきなり聴かせてしまうなんて、もったいない」と思うかもしれませんが、もったいながって出し惜しみしていたら、聴いてもらえません。

YouTubeか何かで音楽を再生するときを考えてみてください。すべての曲を最初から最後までじっくり聴くわけではないでしょう。歌い出しだけで「はい次」「はい次」ですよね。

だから最近の曲作りは、魅力的なメロディーを出し惜しみせずに冒頭で使う傾向が強まっているのだそうです。

文章や話し方も同じ。

何の話かも分からないのに、見知らぬ相手から「かなり長い話になりますが、聞いてくれますか」と切り出されたら、どうか。

到底聞く気にならない。

たとえば、「癖の強いスモークチーズにラプサンスーチョンを合わせる」ことを勧める文章なら、冒頭(第1文か第2文)にスモークチーズとラプサンスーチョンが登場する構成だと伝わりやすい。

これがもし、「子どもの頃、癖のある食べ物は苦手だった。セロリやミョウガ、春菊などである。大人たちがなぜあんなにフキノトウのてんぷらをありがたがるのか、正直なところ不可解だった。ところが今──」のような書き出しで始めて、「スモークチーズにラプサンスーチョンが合う」という結論に至り、スッキリ納得感を与えるのは難しい。

この出だしからして、「苦手だった癖のある食べ物が好きになった」というテーマなら、うまくいくかもしれない。

今、手元の箇条書きを読んでみましょう。

最初の項目で、全体のテーマが明示されていますか?

箇条書きを読むだけで、どんな文章になりそうか分かりますか?

分かるなら、伝わりやすい、コンテンツのしっかりした文章になります。

ちっとも分からないなら、コンテンツの弱い、テクニックでそれっぽくでっちあげた「伝わらない文章」になってしまいます。

箇条書きを読んだだけで用事が済んでしまうくらいなら、完璧です。

書き始めましょう。



【冬の講座】
日時:2017年2月25日(土)15:00〜20:00頃
場所:メイフェア(新潟市中央区寄居町)
料金:10,000円(お食事つき)
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:文章の書き方 〜 言語戦略
  言葉が変われば関係が変わります。
  相手との関係は、あなたが使う言葉次第、
  そして書き方、話し方次第です。
  気持ちいい人間関係を築く「言語戦略」で、
  人生を豊かにしましょう。

※お申込みは http://mf07.com/lesson.html からどうぞ

* * *

新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室、大宮校についてはこちら
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ラベル:文章の書き方
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2017年01月20日

【文章の書き方】書く順序を決める

2. 書く順序を決める

「何について書くか」のパーツを書き出したら、次は並べ替えます。

「書く順序を決める」段階です。

「何を言うか」に対して、「何から言うか」。

言い換えれば、文章の「構成」ですね。

この段階までに、パーツを取捨選択は済ませておきます。

紅茶はラプサンスーチョンにするのかキームンにするのか、いや、ダージリンの夏摘みを取り上げてもおもしろいかも、チャイなんてどうかな……と、思いつくままに箇条書きにしていく段階では、共存できないものが共存していてもかまいません。

通常なら、ラプサンスーチョンに何かを合わせる話をするとしたら、同時にダージリンについて書くことはできません。

書いてはいけない、という決まりなどありませんが、テーマが絞れず、伝わりにくい文章になるでしょう。

とはいえ、箇条書きにしている段階では、一時的に何種類もの紅茶が候補に挙がっていても、いっこうにかまわない。

・ラプサンスーチョンにスモークチーズを合わせる
・ダージリンの夏摘みにスモークチーズを合わせる
・スモークサーモンに合う紅茶は?
・キームンなら合うかも

こんな状態が一時的にあっていい。

ただし、この箇条書きを使って文章を書き始めたら、収拾がつかなくなります。

初期段階では、ブレインストーミング的に、思いつくまま、無批判に、どんどん書き留めていけばいい。

しかし、書き始める前に、ちゃんと吟味し、整理します。

「必要な項目のみに絞り、適切な順序に並べ替える」のです。

さあ、「内容と流れが分かる箇条書き」にしてください。



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2017年01月14日

【文章の書き方】何について書くか

1. 何について書くか

「冬の講座」に事前課題が出たので、当日までの予習にもなるように、「文章の書き方」のヒントを書いていきます。

都合で講座に出られない方も、文章を書く場面に活かせるように、参考にしながらトレーニングして文章力を高めておくといいですよ。

書く力は今、ますます重要性を増しています。

文章を書く力と、話す力(伝える力)が身につくと、仕事もプライベートの人間関係も今より改善します。

逆に書く力と話す力が弱いと、「しなくていい苦労」が増える。

伝わる書き方、伝わる話し方を鍛えましょう。


まず、「何について書くか」を箇条書きにします。

「えっ、何について書くかは、紅茶に合わせたい食べ物と課題が決まっているんだから、考える余地がない」と思いましたか?

もちろんお題は与えられているのですが、みんながみんな、同じことを書くわけではありませんよね。

あなたは何を書きますか?

紅茶に詳しい人なら、アッサム紅茶に合わせるのとラプサンスーチョンに合わせるのとでは、違う食べ物を選びそうです。

だとしたら、

・ラプサンスーチョンにチーズラスク
・ラプサンスーチョンの特徴は松をいぶした香り
・正露丸に似ている?
・クセがあるから、クセの強いチーズに合いそう
・ラプサンスーチョンとは(要調査、紅茶教室で聞く)
・クセの強いチーズといえば……

こんなふうに、まずは思いつくままに、箇条書きにしていきます。「何について書くか」のパーツをざっくり集める感覚で、気軽に書き出しましょう。

この段階を抜きにして、いきなり課題文を借りて「紅茶に合わせたい食べ物といえば──」と書き始めていませんか?

最終的にそんな書き出しの文章にするとしても、まずはパーツを集めて「何について書くか」を決めないと、迷子になります。

行き先を決めずに歩き出すようなものですから、行き当たりばったりで、成功率が低い。

「調子がいいとサクサク書けるのに、調子がよくないとパッタリ止まってしまう」経験が多いなら、「いきなり書く」せいです。

順を追ってトレーニングしましょう。


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2017年01月10日

【冬の講座】文章の課題です

●「冬の講座」の文章課題

「冬の講座」(2017年2月25日)まで1ヶ月半となりました。

テーマは引き続き「文章の書き方」です。

言葉の力、文章の力を丁寧に育てていきましょうね。

今日は受講者の方に事前課題を出します。

2週間前の「2月11日」までに提出してください。

提出していただいた文章は、当日に講座の中で取り上げます。

私から「ここが良い」「ここをこうするとさらに良い」といったコメントを受けながら、修正を重ねていくことになります。

ほかの受講者の文章に対するコメントを聞くのも、良い勉強になるはずです。

音楽の公開レッスンみたいなものですね。

提出は一人1本としますが、締切日までに修正版を送り直すのはかまいません。


字数:250〜300字
テーマ:紅茶に合わせたい食べ物
目的:食べてみたい、飲んでみたい気持ちにさせる
締切日:2017年2月11日
提出方法:いつもの専用フォームから
   ↓
http://mf07.com/ask.html季節の講座受講者専用フォーム

それでは、力作をお待ちしています。

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2017年01月08日

【歌声の会】歌唱力を高めるトレーニング

●『落葉松』で歌唱力アップ

今日は『落葉松』(野上彰作詞、小林秀雄作曲)を取り上げました。


「落葉松」
落葉松の秋の雨に 私の手が濡れる
落葉松の夜の雨に 私の心が濡れる
落葉松の陽のある雨に 私の思い出が濡れる
落葉松の小鳥の雨に 私の乾いた目が濡れる


いい歌ですね。

歌い込むほどに味わい深くなる、いろいろに味わえる歌です。

今年の新潟ガラコンサートで『落葉松』を歌いたいと希望していた方が、「教わってみたら、大変な歌だと分かったので、来年か再来年のガラコンサートにします」と話していました。

いいですねえ。1年、2年とかけて、じっくり歌ってレパートリーにしていく。

大人の取り組み方ですね。

これから「歌声の会」では、「歌唱力アップ」を大事なテーマにしていきたいと考えています。

じっくりいきましょう。



●文章トレーニングに通ずる「構造」の捉え

音楽と文章には共通点があります。

時間の推移とともに表現され、味わわれる「時間芸術」である点で共通しています。

だから、歌を「構造」として捉えると、極端な言い方をすれば「歌詞がなくても、味わえる」。

器楽曲はもともと歌詞がないのだから、当然といえば当然ですが、なんというか、「歌詞とは別の味わい方ができる」という感覚です。

「この部分は、全体の中で、こういう役割をしている」という捉え方です。文章のトレーニングをしていると、否応なしに意識することになるでしょう。

たっぷり感じながら歌い込みますよ。


【歌声の会】
日時:不定期(こちらのカレンダーでご確認ください)
http://mf07.com/
場所:フェルマータ2階(新潟市中央区上近江)
料金:3,240円(中学生以下は半額)
内容:日本の古い歌でハモる

「歌声の会」は、日本の古い唱歌でハモる会です。
 詳しくはこちらのページをどうぞ。
   ↓
http://mf07.com/song.html

※歌声の会は共に歌うメンバーを随時募集しています。
 ご参加くださる方は、事務局のメイフェアまで
 お電話(025-211-7007)ください。

* * *

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2017年01月06日

【トレーニング】発声トレーニングで成果を上げる秘訣

●「自分をあおる感覚」が大事

スポーツでも趣味の習い事でも仕事に役立つ訓練でも、トレーニングの成果を上げる秘訣があります。

それは「なりきり」。

たとえば料理を習うとしたら、「料理に夢中で取り組んでいる自分」になりきるのです。

そういう人として行動することによって、そういう自分へと煽っていく感覚。

「良い状態になるのを待つ」ではなく、「良い状態を作っていく」。

積極的に「そういう人としてふるまう」のです。

外食したら、どうやって作っているのかと気にする。書店に行ったら、当たり前のように料理本のコーナーに向かう。美容室で雑誌を手に取ったら、おかずのレシピのコーナーが真っ先に気になる。

そういう行動や感じ方になるのを待つのではなく、自らそのように行動することで、意識を日に日に高めていくと、トレーニングの成果が出やすくなります。



●同じ行動でも、パワーが変わる

なぜ自分をあおり、なりきり、すでに「そういう存在」になっているとイメージしながら行動すると、トレーニングの成果が上がるのでしょうか。

なぜなら、同じ動作でも意識の持ち方で効果が変わるからです。

職場の研修がなかなか成果を上げないのは、「職場に言われて仕方なく参加している」意識があって、気持ちが前向きではないから。

同じ研修内容でも、自分で自腹を切って参加している人は、成果が上がります。

「当たり前のように淡々と」が大事な意識だとお話ししましたね。その状態に自分を煽って追い込んでいく感覚が、ここでいう「自分を煽る感覚」です。

子どもの頃に何かの習い事をしていて、夢中で何かに取り組んでいた方なら、実感があるでしょう。

最初のうちこそ「親に無理やり習わされている」「ちゃんと行かないと叱られる」のような気持もあったかもしれませんが、続けていて「ソレが得意な自分」「ソレに馴染んだ自分」が育ってくると、意識が変わります。

事あるごとに、「ソレは自分の守備範囲だ」のように言ったり思ったりしながら、意識を高めていくのです。

ピアノを習っているなら、学校の合唱コンクールがあるときに伴奏者に立候補してみたり。

スポーツを習っているなら、体育祭で全力を出して好成績を残してみたり。

絵を習っているなら、授業で本気の絵を描いて美術の先生に褒められたり。

そのようにして「関わり」を深め、どっぷり浸かっていくうちに、「自分の一部」「生活の一部」になっていく。

煽り立てるように「目指す自分になりきる」人だけが成功する理由が、ここにあります。



●パティシエは「勤務中にお菓子を作る人」ではない

パティシエがお菓子を作るのは、「仕事だから」だけではありません。「お菓子を作る存在」になりきっているんですよね。

メイフェアのスタッフに「昨日の休日は何を?」と過ごし方を尋ねたら、「お菓子を焼いてました」と答えました。

それって、オンもオフも関係なくお菓子を作っている、ということではないか。

「ケーキを作らない日は何を?」の問いには、「ケーキを食べに行きます」。

そういうものなんですよね、本当のプロは。

いい接客をするプロなら、「仕事として接客するとき」だけ感じが良いのではありません。自分がお客さんとして食事や買い物をしていても、当たり前のように「感じの良いふるまい」になる。

「そういう存在」だから、オンもオフも関係ない。

メイフェアスタッフが「あ、わりい、今日はオフなんだわ」と言いながらビール片手にパチンコを打ち、「この台ぜんぜん出ね〜んだけど、どうなってんの」と店員さんに文句を言うふるまいは、まず考えられない。

そうそう、演奏家が「そんなの当たり前」と話していたのを思い出しました。バイオリニストは演奏会当日や全体練習の日など、いわばオンの日にはほかの関係者と一緒に演奏するし、演奏会もなく練習日でもない、好きに過ごしていい日には、一人で練習する。だからオンとオフの区別は意識にない。

時間があればバイオリンを弾く。「時間がない」というのは、バイオリンを弾くのに忙しくてほかのことをする暇がない、という意味。

もっとも、オンとオフがくっきり分かれる仕事もあって、消防士が「オフの日にも消火したい」というわけにはいきませんが、そんなケースなら四六時中ずっと意識を向けて自分を高め続けられる「ライフワーク」が見つかるといいですね。

「発声」や「話し方」は最適ですよ。



●「無理してがんばる」ではなく「なりきって楽にふるまう」

話し方、発声をトレーニングしているあなたには、あらゆる行動をひっくるめて「発話品質の向上」を目指してほしい。

「いつも丁寧にふるまうのは息苦しいのでは?」と躊躇する人がいますが、それは「無理して丁寧にしているから」。

丁寧できちんとしたふるまいが自分の標準になってしまえば、無理をしていないのだから、息苦しいわけがない。

論語に「七十にして、心の欲する所に従えども、矩を越えず」(好きなようにふるまったとしても、原理原則を外れない)とありますね。

もし、好きなようにふるまうと丁寧でなくなるとしたら、まだ丁寧な人になれていないんですよね。

「無理してがんばる」のではなく、「なりきって、当たり前のようにふるまう」のがオススメです。

自分自身と深く関係する行為なので、「いい話し方をする」「良い声で話す」「声を気にしてトレーニングをしている」自分になりきって、オンだろうとオフだろうと関係なく自分を高めていきましょう。

* * *

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2016年12月30日

スッキリまっさらで丁寧に積み重ね、いいですね

年の瀬も押し迫り、早々にお休みに入っている方、今日が仕事納めの方、いつもよりかえってハードに働いている方等など、それぞれに暮れをお過ごしのことでしょう。

今まさに家の大掃除をしている真っ最中の方もいらっしゃるかもしれませんね。

余計なモノを思いきって処分するだけでなく、こんな「処分」をした方もいます。

> ブログのお気に入りも整理して、
> 余計なブログはもう見ないことに決めました。


これは大事なことですね。最近は特にSNSに時間を奪われ、自分が成長するための時間が削られている人が多いそうです。

時間とエネルギーを取られるだけでなく、入ってくる情報に掻き乱される、というマイナスが非常に大きい。

メディアからの情報もそうですね。情報から得られるメリットはあるにせよ、情報を追い続ける過ごし方のデメリットが大きい。

時間を奪われたり、時間の過ごし方が質的に低下するデメリットを自覚していても、つい情報を追いかける行動をしてしまうのは、「不安」が原因でしょうね。

流行を追っていないと不安になるし、新しい店ができたら一回は行っておかないと話題に乗れない不安を覚えるし、ベストセラーくらいは読んでおかないとバカにされるのではと不安になるし……不安のせいで「やめられない、止まらない」。

まして知り合いのブログやSNSでは、「行動を把握しておかないと次回に会ったときに失礼ではないか」とか、中には「自分の知らないところで、友人たちが楽しいことをしていたら悔しいから」という理由で毎日覗いて記事を読み続けたり「いいね!」を押し続けたりしている人も少なくないらしい。

「それでも別にかまわない」と割り切ったとき、良い時間の使い方をスタートできるのでしょう。

いわば「清算」ですね。

良質な成長を目指してトレーニングをするためには、「一点集中」が大事。

「一点集中」をレベルアップさせるには、余計なものを「清算」していく必要がある。

トレーニングに費やす時間は投資ですが、SNSチェックに費やす時間は浪費です。

トレーニングに集中して成果を上げるためには、意識を奪われるものをスッパリ切り捨ててしまうのは、オススメの対処法です。

ごたごたといろんなものがくっついているより、思いきって「清算」してスッキリさせたほうが、気持ちいいんですよね。

そういう人のほうが魅力的です。

「断捨離」とか「ミニマリスト」とか「持たない生活」なんて言葉も流行りましたね。

ただ、「必要最小限のエネルギーで生きていく」ような、井戸の底のウナギみたいな生き方ではなく、「これだけでいい」と割り切って絞り、必要なところには膨大なエネルギーをドクンドクンと注ぎ込むのが良いトレーニングです。

「一点集中」って、そういうことですよね。

大事な一点に、ほんのわずかなエネルギーしか注がないのでは、弱々しい。

まわりがあきれるくらい、まわりが心配するくらい、まわりが引くくらい、アホのように注ぎ込む。

年末年始まで特別レッスンを提供しているのは、そういう理由です。

「お好きなんですね」と褒められる程度のやり方でモノになる人はいません。私の知っているバイオリニストは、防音室がなかったので夜中に寮の押し入れの中で、まわりに布団を積み上げて、懐中電灯をともしながら練習したそうです。

「あいつはおかしくなった」「近づかないほうがいい」などと周囲に言われながら。

まさに一点集中、すばらしき狂気の世界です。

まわりの人のSNSなんて──当時はまだありませんでしたが──まるで気にもしない。周囲からの自分への評価さえ歯牙にもかけない取り組み方でしょう。

たまにこんな相談も受けます。

「○○さんのブログをたまに読んでいて、元気がもらえることもあるんですけど、なんか落ち込まされることもあって……」

その人の取り組みにとって特にプラスになるわけではないブログのようなので、読む理由を聞いてみると、

「なんとなく気になって、つい……」

知り合いの動きが気になる気持ちも分かりますが、「なんとなく気になって」のところで止めておけるといいですね。

「つい……」と言いながら実際に覗いてしまうと、気になり続けます。

「つい」をやめて、すっぱり「清算」すると、やがて気にならなくなります。

スッキリまっさらになって、丁寧に積み重ねをしていきましょうね。



●年末年始の特別レッスン

こちらのブログは常に要チェックですよ。
   ↓
http://niigata.areablog.jp/blog/1000003201/p11527216c.html

年末年始の「お年玉レッスン」の案内をしていますね。

もう始めましたか?

新潟市でポチ袋に入ったお年玉クッキー
これは今の時期に大人気の「お年玉クッキー」(ポチ袋入りクッキー)。

* * *

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2016年12月26日

トレーニングは「ちょっと強めに切り替えて、なりきる」とうまくいく

●先に切り替えて「なりきる」

話し方でもどんなトレーニングでも、「なりきり」が必須です。

テニスのラケットを振りながら、「こうやっていたら、テニス好きになって、うまくなるかな」では、うまくならない。

「テニス大好き人間」になりきってラケットを振ると、うまくなる。

良い声の出し方、良い話し方、良い言葉の選び方を習ったら、そのとおりの行動(いつも良い声を出す、良い話し方をする、適切な言葉を選ぶ)をする人に「なりきる」のが先です。

「良いことを聞いた。やってみよう」程度ではなく、「違う自分になった」くらいに強めに切り替える。

パチンとスイッチを切り替えて、新しい自分に「なりきる」と、うまくいきます。

先になりきってから、その人物像にふさわしい行動を取っていくと、いつしか本当に自分の奥深くに知識や技術が沁み込んで、無造作に話しても良い話し方ができるようになっています。

先に「話せる人」になりきって、後から「話す」ことができるようになる。

それが「BeからDo」へ。



●「いつかなれるかな」ではうまくいかない理由

しかし多くの人は、逆のプロセスを辿ろうとします。

「そうか、こういう話し方が良いのか」と知って、努めてそのように話そうとしてみる。

「こうやって気をつけて話すようにしていたら、いつか良い話し方ができる人になれるかな」と期待しながら。

「話す行為」→「話せる人」という順序ですね。

これは「DoからBe」へのプロセスです。うまくいかないことは大勢の経験からも実証済みでしょう。

たとえば、「悪口を言わない」という人間関係の原則を覚えたとします。

すると、多くの人はどうするか。

「よし、悪口を言わないように気をつけよう」と決心する。

しかし、すでに経験したことのある人もいるように、うっかり悪口に同調したり、口に出さないまでも内心毒づいたりして、「あ〜あ、気をつけていたのに、つい悪口を言ってしまった」と落ち込む。

やがて落ち込みに耐えられず、

「人の悪口を言いたくなるときだってあるよね」
「みんな言ってるし」
「みんなが悪口で盛り上がっているときに一緒に悪口を言わないと浮いてしまう」

のように言い訳を始めて、いつしか「当たり前のように悪口を言っていた自分」に戻っている。

「戻っている」というより、最初から何も変わっていなかったんですけれどね。

大事なのは「BeからDoへ」ですから、先に変わることが肝心です。

「すでにそうなっている」というイメージです。

「よし、悪口を言わないように気をつけよう」と決心するのではなく、「悪口を言わない人間になった」と心の底からイメージし、思い込むのです。

それが「なりきり」です。

「そういう人になった」と先になりきってから、当たり前のように「悪口を言わない生活」を始める。

そうすれば、何かのはずみに悪口っぽい言動をしてしまったとき、「また言っちゃった〜。私は意志が弱いから」ではなく、「私が悪口を言うなんて、おかしい」「私としたことが」という違和感になるはずです。

「悪口を言わない人間」であるはずの自分と、「悪口を言っている」という行動のズレからくる違和感が気持ち悪くて、自然に行動が変わっていきます。

喩えるなら、前者の「がんばって悪口を言わないように努力しながら、うまくいかない」のは、「壊れかけた楽器で、できるだけ良い音を出そうと努力しているけれど、気を抜くとまた変な音が出てしまう」状態。

だから「楽器がこれだもん、しょうがないよね」になりやすい。

後者の「悪口を言わない人に先になりきる」のは、「上質な楽器で、たまに変な音が出たときに、“あれ、おかしい。これではない”と感じて、当たり前のように良い音を出そうとする」状態。

先に「上質な楽器」になりきってスタートするので、「変な音を出すなんて、おかしいよね」になる。

「なりきり」は、「思い込みの力」です。

「思い込み」は能力の一つですから、しっかり身につけましょう。



●うまくいかないとしたら、「なりきり」が弱いせい

どんなトレーニングでも同じです。

うまくいかないときは、スタート時の「なりきり」が弱い。

「まずは1ヶ月だけ、悪口を言わない人になりきってみよう」では、1ヶ月後に必ず元に戻ります。

それはそうですよ。「まずは1ヶ月だけ」なんて期間限定では、「悪口を言いたい人」のまま「悪口を我慢」しているだけですから。

「悪口を言わない人」になりきったら、一生ものですよ。期間限定ではありません。

「なりきる」のだから、「期間限定で様子を見て」なんて、逆におかしいですよね。

「覚悟を決めて、なりきる」が必要。これなしに、本当に良いものを手に入れる方法はありません。

「覚悟を決めて」の感覚は大事ですね。

タバコをやめたいのにやめられない人は、メリットを口にします。「喫煙室でのコミュニケーションで得られる情報もあるんだよね〜」などと。

「惜しい」とか「損したくない」といった気持ちがあると、結果的にはるかに大きな損をしてしまう。

「吸うメリット」「吸わないデメリット」なんて意識していたら、やめられるわけがありません。万が一、タバコのメリットがあるとしても、「そんなものは切り捨てる」と「覚悟を決めて」、「吸わない人になりきる」ことができたら、事態が変わるはずです。

「一点集中」というトレーニングの原理原則とも合致しますね。



●「なりきり」の強化は何度でも

「なりきり」はスタート時の一回で完了するわけではありません。

「先になりきる」といっても、「なりきり」はその後、生活の中で日々強化していきます。

「良い声で話す人」になりきってトレーニングを開始したとして、「良い声で話す人」として当たり前のように生活をしながら、さらに意識的にも「なりきり」を強めていく。

「自然にそうなる」「当たり前のようにそうなる」に任せて意思の力を使わないと、ゆるみます。

「現状維持」を目指したら、現状維持にならず、日に日に衰えていくのでしたね。

「自分は良い声で話す人だ」という認識を、意思の力も使って日に日に強化していくのが、やがて本物を手に入れるコツです。

今日も、また強化しましょうね。

「そのとおりになっている」というイメージを、最高に強くすると、イイ感じでしょう?

「すでにそうなっている」の感覚、最高に大事です。



【プレゼンテーション講座】
日時:2017年12月17、24日の2日間、両日とも16:00〜19:00
場所:フェルマータ カフェ2階(新潟市中央区上近江)
料金:10,000円
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:プレゼンテーション能力をさらに高めよう

※2日間のコースです。1日だけの受講はできません。
※お申込みはこちらのページの一番下にあるフォームからどうぞ
   ↓
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2016年12月16日

伸びる人は初心上手──先入観のないトレーニングが効果的

●「聞く耳」も育っていく

良い声を出すためのポイントを教わっても、うまくできないことがあります。

今日は届いたメールを引用しながら解説しましょう。

「喉に力を入れない」「喉に頼らずお腹に頼る」と言われても、声が弱々しくふらふらになってしまうように感じて、なかなか言われたとおりにできなかったのだそうです。

ところが、実際に自分の声を録音して聞いてみたところ、


> 録音を聴くと、思いのほか声がなめらかに出ていて、
> 「自分にもこんな声が出せるのか」と驚くくらい
> 喉で押さない澄んだ声が出ていました。
> 「良い声の出し方」に近づけたなあ、と素直に思えました。


うまくいきましたね。

出た自分の声を耳で聞きながら、「うまくできているかな」「この声でいいかな」と判断しながら練習をするわけですが、「あ、今、良い声が出た」と感じたときでさえ、その感覚を過信せず、「声を聞く力」そのものを丁寧に育てていきましょう。

1年前に「良い声」と感じて満足していた声を、1年後に聞いても「良い声」には聞こえず、満足できないでしょうから。

「聞く耳」もトレーニングで育っていくからです。



●「初心忘るべからず」の「初心」とは

楽器のレッスンと同じで、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」を判断する力を、最初から持っているわけではありません。

先日も「一からスタートする気持ち」の大切さをお話ししました。

文字どおり「一から」なら、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」の先入観はないはずなのに、何かしらの先入観を持っている人が多いのが現状です。

楽器のレッスンなら、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」を一から学んで身につけていこうとする人も少なくないのですが(本来それが当たり前)、発声や話し方だとどういうわけか「私はこういう話し方が好き」「私はこういう声が良いと思う」からスタートしてしまい、成長が阻害されやすい。

つまり、バイオリンでもピアノでも、何年も何十年も練習を重ねた成果として身につく判断力(こういう演奏が好き、こういう音が良い音)を、発声・話し方の場合はなぜか最初から「自分は持っている」と思ってしまう。

まあ、「好き嫌いなんだから勝手でしょ」と言われてしまえばそれまでですが、しかし、まさに「それまで」です。

トレーニングの意味がない。

バイオリンを習い始めたばかりの私が、指導を受けながら「いや、自分はパガニーニに憧れているんで、この構え方でいいんっす」「いや、高音でかすれる感じの音、ハイフェッツも出しているじゃないですか。好きなんですよ、これが」などと主張したら、技術は伸びないし、教わる意味がないし、たぶん教えてもらえない。

スタート時にそんな状態だったとして、それは「初心」ではありません。

初心とは、「先入観が無い状態」ですから。

引用しているメールには、続けてこう書いてありました。


> たぶん、「自分はわかっている」という意識があって、
> それが取り組みすべての邪魔をしているのかもしれません。
> 「こういうもの」という自分基準を外して取り組みます。


まさにそれが「初心」です。

これからぐんぐん伸びますよ。

声、話し方に対する感覚を、これから丁寧に育てていきましょう。

* * *

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2016年12月13日

発話品質とは……話す行為全体のクオリティ

●発話品質(Quality of Speech)を高めよう

発話品質(Quality of Speech)とは、発話行為(speech)全体のクオリティを指します。

「正しい日本語」も品質のひとつですが、ごく一部に過ぎません。

何を話すか、どんな声で話すか、どんな態度で話すか──すべてをまとめて「発話品質」と呼びます。

敬語が正しく使えても、その正しい敬語で人の悪口を言えば、発話品質が下がります。

相手に合った話し方は発話品質が高く、相手にお構いなしの勝手な話し方は発話品質が低い。

たとえば、耳が遠いと分かっている高齢者に向かって、大きめの声でゆっくり話そうとするのは発話品質が高く、構わず早口でバーッとまくしたてるのは発話品質の低い話し方です。

あなたの発話品質を高める取り組みをしていきましょう。



●浮世離れしているくらいで、堅すぎるくらいでちょうどいい

話し方のトレーニングをしている方が、こんな話をしていました。

「今の職場は、人の悪口が当たり前、噂話で盛り上がるのが標準、つぶれたような攻撃的な声で陰口を言い合うのがいつもの休憩時間、みたいなところなので、良い声や良い話し方なんてしようとすると、浮いてしまうんです。どうしたらいいでしょうか」

続けてこうも話していました。

「というより、そういう場に合わせて悪口を言ったり、誰かの陰口を言うほうが、相手本位のコミュニケーションなのでしょうか」

この手の悩みは、実は少なくありません。

なぜかといえば、現在、社会全体の発話品質があまり高くないからです。

「さすがに本人には言えないよね〜」「言えな〜い」

こんな会話が、ごく自然に、当たり前のように、幅を利かせています。

しかも、その場にいない“本人”に言えない話で盛り上がったり談笑したりしている行為に対して、まるで悪びれない。

「本人に言えないなら、話題にしたりネタにして盛り上がったりしないほうがいいよね」と言ったり思ったりする人がいれば、発話品質の高い職場にもなりますが、そういう上質な感覚を持った人は「あの人は口うるさいから」「お上品だから」と避けられ、今度はその人のいない場所で盛り上がるので、職場全体にはあまり効果がない。

場になじめずに浮いてしまえば、そこでの居心地がよくないし、悪口に乗らないと自分が悪口のターゲットになったりもしますよね。

しかし、です。

相手本位とばかりにそこで相手に合わせて一緒に悪口を言ったり毒舌を吐いたりしたら、「話し方トレーニングをしている意味がない」でしょう。

発話品質を落として相手に合わせるのでは、レッスンで何かを身につけても、日々の生活の中でじわじわと質が下がっていってしまいます。

「悪口を言うくらいなら、浮くほうがマシ」
「下卑た話をするくらいなら、悪口のターゲットになったほうがマシ」

と割り切るくらいの矜持を保ってもいいのではありませんか?

ぜひそうあってほしい、と願っています。

声や言葉は、コミュニケーションの道具です。

つまり、話し方や発声のトレーニングは、「良い関係を築くためのトレーニング」といえる。

しかし、馴れ合いで噂話や悪口で盛り上がったり、延々と何時間も愚痴をこぼし続けたりするのは、本当に良い関係か。そんな話し方がトレーニングの成果であったら寂しすぎる。

発声や話し方に取り組むあなたは、浮世離れしているくらいの、堅すぎるくらいの意識を持って、「発話品質の向上」に一役買ってください。

新潟市で発話品質を向上させる話し方レッスン
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