2017年01月08日

【歌声の会】歌唱力を高めるトレーニング

●『落葉松』で歌唱力アップ

今日は『落葉松』(野上彰作詞、小林秀雄作曲)を取り上げました。


「落葉松」
落葉松の秋の雨に 私の手が濡れる
落葉松の夜の雨に 私の心が濡れる
落葉松の陽のある雨に 私の思い出が濡れる
落葉松の小鳥の雨に 私の乾いた目が濡れる


いい歌ですね。

歌い込むほどに味わい深くなる、いろいろに味わえる歌です。

今年の新潟ガラコンサートで『落葉松』を歌いたいと希望していた方が、「教わってみたら、大変な歌だと分かったので、来年か再来年のガラコンサートにします」と話していました。

いいですねえ。1年、2年とかけて、じっくり歌ってレパートリーにしていく。

大人の取り組み方ですね。

これから「歌声の会」では、「歌唱力アップ」を大事なテーマにしていきたいと考えています。

じっくりいきましょう。



●文章トレーニングに通ずる「構造」の捉え

音楽と文章には共通点があります。

時間の推移とともに表現され、味わわれる「時間芸術」である点で共通しています。

だから、歌を「構造」として捉えると、極端な言い方をすれば「歌詞がなくても、味わえる」。

器楽曲はもともと歌詞がないのだから、当然といえば当然ですが、なんというか、「歌詞とは別の味わい方ができる」という感覚です。

「この部分は、全体の中で、こういう役割をしている」という捉え方です。文章のトレーニングをしていると、否応なしに意識することになるでしょう。

たっぷり感じながら歌い込みますよ。


【歌声の会】
日時:不定期(こちらのカレンダーでご確認ください)
http://mf07.com/
場所:フェルマータ2階(新潟市中央区上近江)
料金:3,240円(中学生以下は半額)
内容:日本の古い歌でハモる

「歌声の会」は、日本の古い唱歌でハモる会です。
 詳しくはこちらのページをどうぞ。
   ↓
http://mf07.com/song.html

※歌声の会は共に歌うメンバーを随時募集しています。
 ご参加くださる方は、事務局のメイフェアまで
 お電話(025-211-7007)ください。

* * *

新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室、大宮校についてはこちら
通る声、届く声の出し方の本

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2017年01月06日

【トレーニング】発声トレーニングで成果を上げる秘訣

●「自分をあおる感覚」が大事

スポーツでも趣味の習い事でも仕事に役立つ訓練でも、トレーニングの成果を上げる秘訣があります。

それは「なりきり」。

たとえば料理を習うとしたら、「料理に夢中で取り組んでいる自分」になりきるのです。

そういう人として行動することによって、そういう自分へと煽っていく感覚。

「良い状態になるのを待つ」ではなく、「良い状態を作っていく」。

積極的に「そういう人としてふるまう」のです。

外食したら、どうやって作っているのかと気にする。書店に行ったら、当たり前のように料理本のコーナーに向かう。美容室で雑誌を手に取ったら、おかずのレシピのコーナーが真っ先に気になる。

そういう行動や感じ方になるのを待つのではなく、自らそのように行動することで、意識を日に日に高めていくと、トレーニングの成果が出やすくなります。



●同じ行動でも、パワーが変わる

なぜ自分をあおり、なりきり、すでに「そういう存在」になっているとイメージしながら行動すると、トレーニングの成果が上がるのでしょうか。

なぜなら、同じ動作でも意識の持ち方で効果が変わるからです。

職場の研修がなかなか成果を上げないのは、「職場に言われて仕方なく参加している」意識があって、気持ちが前向きではないから。

同じ研修内容でも、自分で自腹を切って参加している人は、成果が上がります。

「当たり前のように淡々と」が大事な意識だとお話ししましたね。その状態に自分を煽って追い込んでいく感覚が、ここでいう「自分を煽る感覚」です。

子どもの頃に何かの習い事をしていて、夢中で何かに取り組んでいた方なら、実感があるでしょう。

最初のうちこそ「親に無理やり習わされている」「ちゃんと行かないと叱られる」のような気持もあったかもしれませんが、続けていて「ソレが得意な自分」「ソレに馴染んだ自分」が育ってくると、意識が変わります。

事あるごとに、「ソレは自分の守備範囲だ」のように言ったり思ったりしながら、意識を高めていくのです。

ピアノを習っているなら、学校の合唱コンクールがあるときに伴奏者に立候補してみたり。

スポーツを習っているなら、体育祭で全力を出して好成績を残してみたり。

絵を習っているなら、授業で本気の絵を描いて美術の先生に褒められたり。

そのようにして「関わり」を深め、どっぷり浸かっていくうちに、「自分の一部」「生活の一部」になっていく。

煽り立てるように「目指す自分になりきる」人だけが成功する理由が、ここにあります。



●パティシエは「勤務中にお菓子を作る人」ではない

パティシエがお菓子を作るのは、「仕事だから」だけではありません。「お菓子を作る存在」になりきっているんですよね。

メイフェアのスタッフに「昨日の休日は何を?」と過ごし方を尋ねたら、「お菓子を焼いてました」と答えました。

それって、オンもオフも関係なくお菓子を作っている、ということではないか。

「ケーキを作らない日は何を?」の問いには、「ケーキを食べに行きます」。

そういうものなんですよね、本当のプロは。

いい接客をするプロなら、「仕事として接客するとき」だけ感じが良いのではありません。自分がお客さんとして食事や買い物をしていても、当たり前のように「感じの良いふるまい」になる。

「そういう存在」だから、オンもオフも関係ない。

メイフェアスタッフが「あ、わりい、今日はオフなんだわ」と言いながらビール片手にパチンコを打ち、「この台ぜんぜん出ね〜んだけど、どうなってんの」と店員さんに文句を言うふるまいは、まず考えられない。

そうそう、演奏家が「そんなの当たり前」と話していたのを思い出しました。バイオリニストは演奏会当日や全体練習の日など、いわばオンの日にはほかの関係者と一緒に演奏するし、演奏会もなく練習日でもない、好きに過ごしていい日には、一人で練習する。だからオンとオフの区別は意識にない。

時間があればバイオリンを弾く。「時間がない」というのは、バイオリンを弾くのに忙しくてほかのことをする暇がない、という意味。

もっとも、オンとオフがくっきり分かれる仕事もあって、消防士が「オフの日にも消火したい」というわけにはいきませんが、そんなケースなら四六時中ずっと意識を向けて自分を高め続けられる「ライフワーク」が見つかるといいですね。

「発声」や「話し方」は最適ですよ。



●「無理してがんばる」ではなく「なりきって楽にふるまう」

話し方、発声をトレーニングしているあなたには、あらゆる行動をひっくるめて「発話品質の向上」を目指してほしい。

「いつも丁寧にふるまうのは息苦しいのでは?」と躊躇する人がいますが、それは「無理して丁寧にしているから」。

丁寧できちんとしたふるまいが自分の標準になってしまえば、無理をしていないのだから、息苦しいわけがない。

論語に「七十にして、心の欲する所に従えども、矩を越えず」(好きなようにふるまったとしても、原理原則を外れない)とありますね。

もし、好きなようにふるまうと丁寧でなくなるとしたら、まだ丁寧な人になれていないんですよね。

「無理してがんばる」のではなく、「なりきって、当たり前のようにふるまう」のがオススメです。

自分自身と深く関係する行為なので、「いい話し方をする」「良い声で話す」「声を気にしてトレーニングをしている」自分になりきって、オンだろうとオフだろうと関係なく自分を高めていきましょう。

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2016年12月30日

スッキリまっさらで丁寧に積み重ね、いいですね

年の瀬も押し迫り、早々にお休みに入っている方、今日が仕事納めの方、いつもよりかえってハードに働いている方等など、それぞれに暮れをお過ごしのことでしょう。

今まさに家の大掃除をしている真っ最中の方もいらっしゃるかもしれませんね。

余計なモノを思いきって処分するだけでなく、こんな「処分」をした方もいます。

> ブログのお気に入りも整理して、
> 余計なブログはもう見ないことに決めました。


これは大事なことですね。最近は特にSNSに時間を奪われ、自分が成長するための時間が削られている人が多いそうです。

時間とエネルギーを取られるだけでなく、入ってくる情報に掻き乱される、というマイナスが非常に大きい。

メディアからの情報もそうですね。情報から得られるメリットはあるにせよ、情報を追い続ける過ごし方のデメリットが大きい。

時間を奪われたり、時間の過ごし方が質的に低下するデメリットを自覚していても、つい情報を追いかける行動をしてしまうのは、「不安」が原因でしょうね。

流行を追っていないと不安になるし、新しい店ができたら一回は行っておかないと話題に乗れない不安を覚えるし、ベストセラーくらいは読んでおかないとバカにされるのではと不安になるし……不安のせいで「やめられない、止まらない」。

まして知り合いのブログやSNSでは、「行動を把握しておかないと次回に会ったときに失礼ではないか」とか、中には「自分の知らないところで、友人たちが楽しいことをしていたら悔しいから」という理由で毎日覗いて記事を読み続けたり「いいね!」を押し続けたりしている人も少なくないらしい。

「それでも別にかまわない」と割り切ったとき、良い時間の使い方をスタートできるのでしょう。

いわば「清算」ですね。

良質な成長を目指してトレーニングをするためには、「一点集中」が大事。

「一点集中」をレベルアップさせるには、余計なものを「清算」していく必要がある。

トレーニングに費やす時間は投資ですが、SNSチェックに費やす時間は浪費です。

トレーニングに集中して成果を上げるためには、意識を奪われるものをスッパリ切り捨ててしまうのは、オススメの対処法です。

ごたごたといろんなものがくっついているより、思いきって「清算」してスッキリさせたほうが、気持ちいいんですよね。

そういう人のほうが魅力的です。

「断捨離」とか「ミニマリスト」とか「持たない生活」なんて言葉も流行りましたね。

ただ、「必要最小限のエネルギーで生きていく」ような、井戸の底のウナギみたいな生き方ではなく、「これだけでいい」と割り切って絞り、必要なところには膨大なエネルギーをドクンドクンと注ぎ込むのが良いトレーニングです。

「一点集中」って、そういうことですよね。

大事な一点に、ほんのわずかなエネルギーしか注がないのでは、弱々しい。

まわりがあきれるくらい、まわりが心配するくらい、まわりが引くくらい、アホのように注ぎ込む。

年末年始まで特別レッスンを提供しているのは、そういう理由です。

「お好きなんですね」と褒められる程度のやり方でモノになる人はいません。私の知っているバイオリニストは、防音室がなかったので夜中に寮の押し入れの中で、まわりに布団を積み上げて、懐中電灯をともしながら練習したそうです。

「あいつはおかしくなった」「近づかないほうがいい」などと周囲に言われながら。

まさに一点集中、すばらしき狂気の世界です。

まわりの人のSNSなんて──当時はまだありませんでしたが──まるで気にもしない。周囲からの自分への評価さえ歯牙にもかけない取り組み方でしょう。

たまにこんな相談も受けます。

「○○さんのブログをたまに読んでいて、元気がもらえることもあるんですけど、なんか落ち込まされることもあって……」

その人の取り組みにとって特にプラスになるわけではないブログのようなので、読む理由を聞いてみると、

「なんとなく気になって、つい……」

知り合いの動きが気になる気持ちも分かりますが、「なんとなく気になって」のところで止めておけるといいですね。

「つい……」と言いながら実際に覗いてしまうと、気になり続けます。

「つい」をやめて、すっぱり「清算」すると、やがて気にならなくなります。

スッキリまっさらになって、丁寧に積み重ねをしていきましょうね。



●年末年始の特別レッスン

こちらのブログは常に要チェックですよ。
   ↓
http://niigata.areablog.jp/blog/1000003201/p11527216c.html

年末年始の「お年玉レッスン」の案内をしていますね。

もう始めましたか?

新潟市でポチ袋に入ったお年玉クッキー
これは今の時期に大人気の「お年玉クッキー」(ポチ袋入りクッキー)。

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2016年12月26日

トレーニングは「ちょっと強めに切り替えて、なりきる」とうまくいく

●先に切り替えて「なりきる」

話し方でもどんなトレーニングでも、「なりきり」が必須です。

テニスのラケットを振りながら、「こうやっていたら、テニス好きになって、うまくなるかな」では、うまくならない。

「テニス大好き人間」になりきってラケットを振ると、うまくなる。

良い声の出し方、良い話し方、良い言葉の選び方を習ったら、そのとおりの行動(いつも良い声を出す、良い話し方をする、適切な言葉を選ぶ)をする人に「なりきる」のが先です。

「良いことを聞いた。やってみよう」程度ではなく、「違う自分になった」くらいに強めに切り替える。

パチンとスイッチを切り替えて、新しい自分に「なりきる」と、うまくいきます。

先になりきってから、その人物像にふさわしい行動を取っていくと、いつしか本当に自分の奥深くに知識や技術が沁み込んで、無造作に話しても良い話し方ができるようになっています。

先に「話せる人」になりきって、後から「話す」ことができるようになる。

それが「BeからDo」へ。



●「いつかなれるかな」ではうまくいかない理由

しかし多くの人は、逆のプロセスを辿ろうとします。

「そうか、こういう話し方が良いのか」と知って、努めてそのように話そうとしてみる。

「こうやって気をつけて話すようにしていたら、いつか良い話し方ができる人になれるかな」と期待しながら。

「話す行為」→「話せる人」という順序ですね。

これは「DoからBe」へのプロセスです。うまくいかないことは大勢の経験からも実証済みでしょう。

たとえば、「悪口を言わない」という人間関係の原則を覚えたとします。

すると、多くの人はどうするか。

「よし、悪口を言わないように気をつけよう」と決心する。

しかし、すでに経験したことのある人もいるように、うっかり悪口に同調したり、口に出さないまでも内心毒づいたりして、「あ〜あ、気をつけていたのに、つい悪口を言ってしまった」と落ち込む。

やがて落ち込みに耐えられず、

「人の悪口を言いたくなるときだってあるよね」
「みんな言ってるし」
「みんなが悪口で盛り上がっているときに一緒に悪口を言わないと浮いてしまう」

のように言い訳を始めて、いつしか「当たり前のように悪口を言っていた自分」に戻っている。

「戻っている」というより、最初から何も変わっていなかったんですけれどね。

大事なのは「BeからDoへ」ですから、先に変わることが肝心です。

「すでにそうなっている」というイメージです。

「よし、悪口を言わないように気をつけよう」と決心するのではなく、「悪口を言わない人間になった」と心の底からイメージし、思い込むのです。

それが「なりきり」です。

「そういう人になった」と先になりきってから、当たり前のように「悪口を言わない生活」を始める。

そうすれば、何かのはずみに悪口っぽい言動をしてしまったとき、「また言っちゃった〜。私は意志が弱いから」ではなく、「私が悪口を言うなんて、おかしい」「私としたことが」という違和感になるはずです。

「悪口を言わない人間」であるはずの自分と、「悪口を言っている」という行動のズレからくる違和感が気持ち悪くて、自然に行動が変わっていきます。

喩えるなら、前者の「がんばって悪口を言わないように努力しながら、うまくいかない」のは、「壊れかけた楽器で、できるだけ良い音を出そうと努力しているけれど、気を抜くとまた変な音が出てしまう」状態。

だから「楽器がこれだもん、しょうがないよね」になりやすい。

後者の「悪口を言わない人に先になりきる」のは、「上質な楽器で、たまに変な音が出たときに、“あれ、おかしい。これではない”と感じて、当たり前のように良い音を出そうとする」状態。

先に「上質な楽器」になりきってスタートするので、「変な音を出すなんて、おかしいよね」になる。

「なりきり」は、「思い込みの力」です。

「思い込み」は能力の一つですから、しっかり身につけましょう。



●うまくいかないとしたら、「なりきり」が弱いせい

どんなトレーニングでも同じです。

うまくいかないときは、スタート時の「なりきり」が弱い。

「まずは1ヶ月だけ、悪口を言わない人になりきってみよう」では、1ヶ月後に必ず元に戻ります。

それはそうですよ。「まずは1ヶ月だけ」なんて期間限定では、「悪口を言いたい人」のまま「悪口を我慢」しているだけですから。

「悪口を言わない人」になりきったら、一生ものですよ。期間限定ではありません。

「なりきる」のだから、「期間限定で様子を見て」なんて、逆におかしいですよね。

「覚悟を決めて、なりきる」が必要。これなしに、本当に良いものを手に入れる方法はありません。

「覚悟を決めて」の感覚は大事ですね。

タバコをやめたいのにやめられない人は、メリットを口にします。「喫煙室でのコミュニケーションで得られる情報もあるんだよね〜」などと。

「惜しい」とか「損したくない」といった気持ちがあると、結果的にはるかに大きな損をしてしまう。

「吸うメリット」「吸わないデメリット」なんて意識していたら、やめられるわけがありません。万が一、タバコのメリットがあるとしても、「そんなものは切り捨てる」と「覚悟を決めて」、「吸わない人になりきる」ことができたら、事態が変わるはずです。

「一点集中」というトレーニングの原理原則とも合致しますね。



●「なりきり」の強化は何度でも

「なりきり」はスタート時の一回で完了するわけではありません。

「先になりきる」といっても、「なりきり」はその後、生活の中で日々強化していきます。

「良い声で話す人」になりきってトレーニングを開始したとして、「良い声で話す人」として当たり前のように生活をしながら、さらに意識的にも「なりきり」を強めていく。

「自然にそうなる」「当たり前のようにそうなる」に任せて意思の力を使わないと、ゆるみます。

「現状維持」を目指したら、現状維持にならず、日に日に衰えていくのでしたね。

「自分は良い声で話す人だ」という認識を、意思の力も使って日に日に強化していくのが、やがて本物を手に入れるコツです。

今日も、また強化しましょうね。

「そのとおりになっている」というイメージを、最高に強くすると、イイ感じでしょう?

「すでにそうなっている」の感覚、最高に大事です。



【プレゼンテーション講座】
日時:2017年12月17、24日の2日間、両日とも16:00〜19:00
場所:フェルマータ カフェ2階(新潟市中央区上近江)
料金:10,000円
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:プレゼンテーション能力をさらに高めよう

※2日間のコースです。1日だけの受講はできません。
※お申込みはこちらのページの一番下にあるフォームからどうぞ
   ↓
http://wsi-net.org/presentation.html

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2016年12月16日

伸びる人は初心上手──先入観のないトレーニングが効果的

●「聞く耳」も育っていく

良い声を出すためのポイントを教わっても、うまくできないことがあります。

今日は届いたメールを引用しながら解説しましょう。

「喉に力を入れない」「喉に頼らずお腹に頼る」と言われても、声が弱々しくふらふらになってしまうように感じて、なかなか言われたとおりにできなかったのだそうです。

ところが、実際に自分の声を録音して聞いてみたところ、


> 録音を聴くと、思いのほか声がなめらかに出ていて、
> 「自分にもこんな声が出せるのか」と驚くくらい
> 喉で押さない澄んだ声が出ていました。
> 「良い声の出し方」に近づけたなあ、と素直に思えました。


うまくいきましたね。

出た自分の声を耳で聞きながら、「うまくできているかな」「この声でいいかな」と判断しながら練習をするわけですが、「あ、今、良い声が出た」と感じたときでさえ、その感覚を過信せず、「声を聞く力」そのものを丁寧に育てていきましょう。

1年前に「良い声」と感じて満足していた声を、1年後に聞いても「良い声」には聞こえず、満足できないでしょうから。

「聞く耳」もトレーニングで育っていくからです。



●「初心忘るべからず」の「初心」とは

楽器のレッスンと同じで、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」を判断する力を、最初から持っているわけではありません。

先日も「一からスタートする気持ち」の大切さをお話ししました。

文字どおり「一から」なら、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」の先入観はないはずなのに、何かしらの先入観を持っている人が多いのが現状です。

楽器のレッスンなら、「どういう音が良い音か」「何をすれば良い音が出せるか」を一から学んで身につけていこうとする人も少なくないのですが(本来それが当たり前)、発声や話し方だとどういうわけか「私はこういう話し方が好き」「私はこういう声が良いと思う」からスタートしてしまい、成長が阻害されやすい。

つまり、バイオリンでもピアノでも、何年も何十年も練習を重ねた成果として身につく判断力(こういう演奏が好き、こういう音が良い音)を、発声・話し方の場合はなぜか最初から「自分は持っている」と思ってしまう。

まあ、「好き嫌いなんだから勝手でしょ」と言われてしまえばそれまでですが、しかし、まさに「それまで」です。

トレーニングの意味がない。

バイオリンを習い始めたばかりの私が、指導を受けながら「いや、自分はパガニーニに憧れているんで、この構え方でいいんっす」「いや、高音でかすれる感じの音、ハイフェッツも出しているじゃないですか。好きなんですよ、これが」などと主張したら、技術は伸びないし、教わる意味がないし、たぶん教えてもらえない。

スタート時にそんな状態だったとして、それは「初心」ではありません。

初心とは、「先入観が無い状態」ですから。

引用しているメールには、続けてこう書いてありました。


> たぶん、「自分はわかっている」という意識があって、
> それが取り組みすべての邪魔をしているのかもしれません。
> 「こういうもの」という自分基準を外して取り組みます。


まさにそれが「初心」です。

これからぐんぐん伸びますよ。

声、話し方に対する感覚を、これから丁寧に育てていきましょう。

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2016年12月13日

発話品質とは……話す行為全体のクオリティ

●発話品質(Quality of Speech)を高めよう

発話品質(Quality of Speech)とは、発話行為(speech)全体のクオリティを指します。

「正しい日本語」も品質のひとつですが、ごく一部に過ぎません。

何を話すか、どんな声で話すか、どんな態度で話すか──すべてをまとめて「発話品質」と呼びます。

敬語が正しく使えても、その正しい敬語で人の悪口を言えば、発話品質が下がります。

相手に合った話し方は発話品質が高く、相手にお構いなしの勝手な話し方は発話品質が低い。

たとえば、耳が遠いと分かっている高齢者に向かって、大きめの声でゆっくり話そうとするのは発話品質が高く、構わず早口でバーッとまくしたてるのは発話品質の低い話し方です。

あなたの発話品質を高める取り組みをしていきましょう。



●浮世離れしているくらいで、堅すぎるくらいでちょうどいい

話し方のトレーニングをしている方が、こんな話をしていました。

「今の職場は、人の悪口が当たり前、噂話で盛り上がるのが標準、つぶれたような攻撃的な声で陰口を言い合うのがいつもの休憩時間、みたいなところなので、良い声や良い話し方なんてしようとすると、浮いてしまうんです。どうしたらいいでしょうか」

続けてこうも話していました。

「というより、そういう場に合わせて悪口を言ったり、誰かの陰口を言うほうが、相手本位のコミュニケーションなのでしょうか」

この手の悩みは、実は少なくありません。

なぜかといえば、現在、社会全体の発話品質があまり高くないからです。

「さすがに本人には言えないよね〜」「言えな〜い」

こんな会話が、ごく自然に、当たり前のように、幅を利かせています。

しかも、その場にいない“本人”に言えない話で盛り上がったり談笑したりしている行為に対して、まるで悪びれない。

「本人に言えないなら、話題にしたりネタにして盛り上がったりしないほうがいいよね」と言ったり思ったりする人がいれば、発話品質の高い職場にもなりますが、そういう上質な感覚を持った人は「あの人は口うるさいから」「お上品だから」と避けられ、今度はその人のいない場所で盛り上がるので、職場全体にはあまり効果がない。

場になじめずに浮いてしまえば、そこでの居心地がよくないし、悪口に乗らないと自分が悪口のターゲットになったりもしますよね。

しかし、です。

相手本位とばかりにそこで相手に合わせて一緒に悪口を言ったり毒舌を吐いたりしたら、「話し方トレーニングをしている意味がない」でしょう。

発話品質を落として相手に合わせるのでは、レッスンで何かを身につけても、日々の生活の中でじわじわと質が下がっていってしまいます。

「悪口を言うくらいなら、浮くほうがマシ」
「下卑た話をするくらいなら、悪口のターゲットになったほうがマシ」

と割り切るくらいの矜持を保ってもいいのではありませんか?

ぜひそうあってほしい、と願っています。

声や言葉は、コミュニケーションの道具です。

つまり、話し方や発声のトレーニングは、「良い関係を築くためのトレーニング」といえる。

しかし、馴れ合いで噂話や悪口で盛り上がったり、延々と何時間も愚痴をこぼし続けたりするのは、本当に良い関係か。そんな話し方がトレーニングの成果であったら寂しすぎる。

発声や話し方に取り組むあなたは、浮世離れしているくらいの、堅すぎるくらいの意識を持って、「発話品質の向上」に一役買ってください。

新潟市で発話品質を向上させる話し方レッスン
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タグ:発話品質
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2016年12月09日

確実に技術を身につける人は何が違うか

●成長を積み重ねる3つのコツ
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先日、新しい楽譜集をご案内しましたね。

届いた楽譜を手にした方から、こんなメールが届きました。


> 新品の楽譜を見て、発声も話し方も、
> 一からスタートするつもりで真剣に練習しようと思いました。
> これからもよろしくお願いします。


すばらしい意気込みです。応援していますよ。

真剣な人を真剣に指導するのが私の生き甲斐ですから。

「一からスタートするつもりで」が大事な姿勢ですね。

いつもこの気持ちを持ち続けていられると、高度な技術を身につけることができます。

今日は良い機会なので、ずっと成長を積み重ねていけるコツを3つお話しします。

1. 一からスタートする気持ちで
2. 正確に練習
3. 日に日に強化



●一からスタートする気持ちで

「一からスタート」の気持ちがあると、真摯な姿勢でトレーニングに取り組めます。

世阿弥の『花鏡』に「初心忘るべからず」という言葉があります。

「習い始めた頃の、張りつめた謙虚な気持を常に失ってはならない、最初に思いたった一念を忘れてはいけない」という意味ですね。

トレーニングを始めてしばらく経つと、甘えや緩みが生じて、積み重ねを損ねてしまうことがあります。

ピリッと引き締まった姿勢で、丁寧にトレーニングしていますか?

声や話し方についての先入観や自己流の解釈が、素直なトレーニングを妨げてしまうことがあります。

また、しばらくトレーニングを続けていて、「(以前より)できるようになった」という自信がついてきた頃が危ない。

自信がつくのは良いことのように思えるかもしれませんが、良いことばかりではありません。

がむしゃらに学ぶ姿勢を妨げてしまう原因ともなりうるからです。

たとえば、人前に立って話すトレーニングの機会があるにもかかわらず、「もう3年もトレーニングをしている立場で、失敗したら恥ずかしい」と人前に立つのを躊躇するなら、そんな自負はマイナスです。

自負を持つとしたら、丁寧に上質な取り組み方をしているその「気持ち」に自負を持ちましょう。



●正確に練習

練習は正確におこないましょう。

練習の成果を最大化する、遠いようで最も近い道が、「言われたとおりに正確におこなう」。

逆に、成果を最も損ねてしまうのは何か。

多忙による練習不足ではありません。

「自己流のアレンジ」です。

効果的な正しいアレンジなら良いのですが、なぜかたいてい、まずいアレンジになってしまう。

練習の成果が上がらないと感じて方法をアレンジしてしまうケースが多いのですが、方法そのものではなく、練習の頻度だったり、重視する部分がズレていたりが伸びない原因であって、なのに方法そのものを変えてしまったら、どうにもならない。

「混ぜるな危険」の例にもあるように、別のメソッドを併用してみるなどやろうものなら、今までの積み重ねが台無しになってしまう。

練習を始めて間もないうちは、「言われたとおりにやっているのに、できない」と感じることもあるかもしれませんが、そのときは「本当に言われたとおりにやれているかな」と振り返ってみてください。

空手の道場で正拳突き千本、柔道で受け身の練習、剣道で竹刀の素振り千回……基本動作はきわめて大事。動作の正確さも、ミリまでは問わないにしても1cm単位で修正されます。

そんなときに、「なかなかうまくいかないから」と自己流のアレンジを始めてしまったら、永久に合格は出ないでしょう。

「素直な働き者が一番伸びる」とは、まさに真理ですね。



●日に日に強化

「日に日に強化」で、着実に成長を積み重ねていきます。

何を「強化」していくのかというと、「すべて」です。

少しずつ、少しずつでいいのですよ。

むしろ、ほんの0.1%ずつがいい。

あまり急激に強めてエスカレートさせていくと、無理がかかって元の木阿弥、「結局は元のまま」になりかねません。

心身のホメオスタシス(現状維持機能)に引き戻されないように、毎日0.1%のわずかな強化を積み重ねていくのがコツです。

練習の強度も、0.1%ずつ強めていく。

声や話し方に取り組む姿勢も、0.1%ずつ強めていく。

考え方の質、感じ方の質、振る舞い方の質も、0.1%ずつじっくり高めていく。

すべてが「話し方」には影響しますからね。

「話し方」は練習中やレッスン時だけではありません。むしろそれ以外の生活で何を考え、どう振る舞うかが肝心。

起きている間ずっと自分をモニターし続けて、気を引き締め、「自分に厳しく」し続けていきましょう。

多くの人は、逆のプロセスをたどります。時間の経過とともに、気が緩んで甘くなっていく。

それでは成長の積み重ねはできません。

毎日0.1%ずつ、手綱を締めていく感覚──といったら苦しそうですが、「日に日に整えていく」感覚です。

日に日に振る舞い方が上質になり、自分の「意識の持ち方」に対して要求が厳しくなっていく。

そして、その積み重ねを大切にすること。

積み重ねがあなたの財産となり、価値となります。

華やかでも見せかけだけのキラキラ光るメッキではなく、控えめながら確かに光る本物のいぶし銀のような魅力を身につけていきましょう。

* * *

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2016年12月03日

上質な発声と話し方を目指して丁寧にトレーニングしよう

●声の好み、話し方に対する基準が変わってきた

『内向型人間が声と話し方でソンしない本』(青春出版社)が出てから、「これから発声、話し方をトレーニングしたい」という方からの問い合わせが何件かありました。

まだ数件ではありますが、声や話し方に意識を向ける人はそもそも少数派なので、一人でも多くの方の「良いものを目指す」お手伝いができるのはうれしいことです。

声と話し方でソンしない本トレーニングを始める方に、これから生じるであろう変化に対して心構えを持っていただくために、今日は入門者向けレッスンをしましょう。

発声トレーニングを始めた方からよく聞く言葉があります。

「声の好みが変わった」
「これが良い声、という感覚が以前とはぜんぜん違う」
「昔憧れていたような話し方に、憧れなくなった」

なるほど、そのような変化が自分に生じたとしたら、良いトレーニングを重ねていると自信を持ってください。

なぜなら、以前は持っていなかった「声に関する基準」「話し方に関する基準」が自分の中にできた証拠だからです。

「何も分からない段階での自分感覚」から、「分かっている人の基準」へと変わったと言ってもいい。

こんな「変化の報告」もあります。


「大声が出せる人に対して劣等感があったのか、大声で話されると無条件に良い声と感じていた」と言っていた人が、しばらく経つと「声の質が聞き分けられるようになったのか、大声に萎縮しないようになった」。

「オバサン的なこなれた感じというか、崩して近づくような物怖じしないしゃべり方を聞くと、自分にはできないからか話し上手に感じていた」と言っていた人が、「やっぱり大人の距離感がある女性のほうが上品で好き」。

「上司や同僚の男性(おじさんたち)にちやほやされやすい同僚に妬ましい気持ちがあった」と言っていた人が、「ちやほやされるのではなく、品のある話し方を目指したいと思うようになった」。

「かすれ気味のハスキーボイスで話す女性に憧れて真似していた」という人が、「ピーンと通る声できちんと話したいと思うようになった」。


すばらしい。

いずれも良い方向への変化です。

声、話し方に関して、上質な基準を育てていきましょう。



●「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」とは

何かを高度に身につけたいときに、肝に銘じたい言葉があります。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉です。

別の言葉で言い換えるなら、「原理原則に従う」重要性を説いているといえるでしょう。

「歴史に学ぶ」とは、つまり個人のレベルを離れ、世代と空間を超え、何世代もの時を重ねて得られてきた知見、すなわち原理原則を知り、安定感のある質の高いトレーニング(学び方)をする、ということ。

ヴァイオリンが弾けるようになりたいなら、ヴァイオリンの先生に師事して、弾き方の基本から、「これが良い音」「これが良い演奏」という感覚も教わる必要がある。

「経験に学ぶ」とは、すなわち「個人的な感覚」です。

言い換えれば「私が良いと思うもの」。

だから、浅い。

習う前は、たいてい「個人的な感覚」で「好き嫌い」や「良し悪し」を判断しています。基準が自分の中にできていないので、そうする以外にないからです。

ヴァイオリンを習い始めてしばらくすると、耳が育ち、音への感性が育ってくるので、今まで分からなかった違いが聞き取れるようになり、質の高い音を「好き」「良い」と感じるようになる。

発声も話し方も、同じです。



●「結局は自分感覚」に陥らないために

発声、話し方、文章など、言葉は人そのものともいえる。

だから、こうしてトレーニングをするあなたは、ぜひ「上質」を目指してほしい。

かつてはテレビの中や身近なところに「あんな声で話したい」「あんなふうに話したい」というモデルを見つけて、目指したり憧れたりしたかもしれません。

しかし、本格的にトレーニングを始めたら、いつまでも「あの人みたいに」では寂しい。

「自分感覚で誰かをお手本にしてしまうと、伸びなくなる」ということです。

かつて、声楽家のたまごたちが「今売れている××の歌は聴いてはダメ。〇〇の歌を聴きなさい」などと師から指示されたのは、「聴くだけで影響を受けるから」です。そうなると、手軽にYouTubeなどでいろいろな音声が聴ける現代は、メリットもある分リスキーでもある、ということですね。

「どこをどう聴けばいいか」の基準がしっかりできていれば、いたずらにマイナス影響を受けずに聴けるが、まだ基準ができていないうちに「売れているから良いに違いない」「ウケがいいあの歌い方を真似をしよう」になったら、それはトレーニングではなく、「結局は自分感覚」に陥ってしまう。

「混ぜるな危険」の愚を犯すことにもつながります。いろんな基準を混ぜてしまうと、最終的に到達できるレベルが低くなってしまう。

発声器官は一人一人違います。あなたの楽器で最高の演奏をするのが、最も良い声です。

ピアノがヴァイオリンに憧れてもしょうがないし、ヴァイオリンがピアノになりたがってもしょうがない。

周囲を気にせず、発声「技術」を高めることにこだわりましょう。



●「きちんとした丁寧さ」で一目置かれる発話

声だけでなく、話し方も文章もそう。

話し方を学ぶ方に、「とにかく丁寧に、きちんと話す癖をつけましょう」とよく言います。

「敬語を使わないほうが距離が縮まる」とばかりに、なれなれしく距離を縮めるのがうまい人もいますが、あなたにはぜひとも、品のある大人の距離感で話す「訓練された話し方」を身につけてほしい。

年齢とともに崩れやすいのも、話し方です。先ほど「物怖じしない」という言葉を引用しましたが、年とともに怖いもの知らずになって、話し方に「きちんと感」がなくなっていくことがある。

その様子を「夜のご商売の方みたいな話し方」と形容していた専門家もいます。よく分かります。オジサンウケが良いけれど、ちょっと離れてみると、品に欠ける。「一見丁寧な感じも受けるが、内面的になれなれしい」という感じか。

そういう雰囲気は、丁寧なトレーニングで到達する境地とは違うし、もちろん私もそんな指導はしていません。

「きちんとした丁寧さ」で一目置かれる発話を目指しましょう。

「きちんとした丁寧さ」──大事なキーワードです。

先日も「文章の書き方」レッスンの中で、「冷めた目でツッコミを入れる人を想定」というポイントを取り上げたのですが、この想定の手加減によって「上質な文章」にもなれば、「一般ウケはしても、少々品がない文章」にもなります。

前者は「分かる人をクスッとさせる文章」、後者は「わっかる〜。チョーウケるんだけど」と手を叩かれている感じでしょうか。

ともすると、強い反応を求めて、やりすぎてしまうんですよね。

しかし、「入れるといい」と言われても、控えめに控えめに使うのが、良い文章のコツです。

スパイスと同じで、入れすぎるくらいなら、入れないほうがマシ。

こういった精妙な加減は、ひたすら繰り返す練習で身につけていきます。周囲の人たちを眺めながら「あの人は上手、あの人は下手」とやっていても、質のいいトレーニングになりません。

ここで言葉のトレーニングをする方には、「大人の距離感を感じさせるような上質さ」を目指して、丁寧に技術を高めていただきたいと切に願っています。

そういう本気の方を丁寧に指導するのが、私の生き甲斐です。

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2016年12月02日

楽譜のご紹介(声楽名曲選集 イタリア編II)

●声楽名曲選集 イタリア編II

「声のサロン」会員のみなさんにご連絡です。

来年(2017年)は、共鳴発声法の技術をさらに高度に身につけていただくために、高度な課題曲を用意しています。
声楽名曲選集 イタリア編II
お手元にしっかりした楽譜集があるほうが好都合でしょうから、一冊ご紹介しておきますね。できれば年明けまでに用意しておいてください。

『声楽名曲選集 イタリア編II 大阪音楽大学編』

このシリーズは「I」から「III」まであって、その中の「II」(緑色の表紙)ですから、お間違えのないように。

ベッリーニ、トスティ、ドナウディあたりの曲がたくさん収録された一冊です。似たような収録曲の楽譜集をすでにお持ちなら、新しく買わなくてもいいですよ。

下に収録曲のリストを掲載しますので、参考になさってください。



『声楽名曲選集 イタリア編II 大阪音楽大学編』収録曲

・熱い想い(Il fervido desiderio)作曲:ベッリーニ
・憂愁は優しい森の妖精(Malinconia, Ninfa gentile)作詞:ピンデモンテ/作曲:ベッリーニ
・どうか満たしておくれ(Ma rendi pur contento)作曲:ベッリーニ
・お願いだから 愛する人よ(Per pieta, bell'idol mio)作詞:メタスタージオ/作曲:ベッリーニ
・銀色に染める優雅な月よ(Vaga luna, che inargenti)作曲:ベッリーニ
・いま一度(Ancora)作詞:パリアーラ/作曲:トスティ
・セレナータ(La serenata)作詞:チェザレオ/作曲:トスティ
・最後の歌(L’ultima canzone)作詞:プラーガ/作曲:トスティ
・魅惑(Malia)作詞:パリアーラ/作曲:トスティ
・祈り(Preghiera)作曲:トスティ
・ばら(Rosa)作曲:トスティ
・秘密(Segreto)作曲:トスティ
・夢(Sogno)作詞:ステッケッティ/作曲:トスティ
・苦しみ(Tormento)作詞:マッツォーラ/作曲:トスティ
・悲しみ(Tristezza)作詞:マッツォーラ/作曲:トスティ
・私の愛する人(O del mio amato ben)作曲:ドナウディ
・いつまた会えるだろう(Quando ti rivedro)作曲:ドナウディ
・さあ吹いておくれ(Spirate pur, spirate)作曲:ドナウディ
・麗しい絵姿(Vaghissima sembianza)作曲:ドナウディ
・私は夢を見た(Sognai)作曲:スキーラ
・アヴェ・マリア(Ave Maria)作詞:ルカによる福音書/作曲:ルッツィ
・春よ(O primavera)作曲:ティリンデッリ
・あなた方はご承知でしょう(Voi che sapete)作詞:オペラ「フィガロの結婚」より/作曲:モーツァルト
・さあ いとしい人よ(Vedrai, carino)作詞:オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より/作曲:モーツァルト
・私の大好きなお父さん(O Mio babbino caro)作詞:オペラ「ジャンニ・スキッキ」より/作曲:プッチーニ


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2016年12月01日

【文章の書き方】なぜ文章のパワーをモノにしたいのか

●文章の真のパワーをモノにしないともったいない

先日の土曜日は、新潟市で「文章の書き方講座」でした。

次回は来年2月(冬の講座)です。それまでたっぷり書いて、「力のある文章」の練習をしておいてください。

※「冬の講座」(2017年2月25日)はすでにほぼ満席です。ご希望の方はお急ぎください。


文章もしゃべりも歌も、道具は「言葉」であり、この道具を使いこなすには「練習」が要ります。

料理に使う包丁だって、事務作業に使うパソコンだって、道具はみんな練習でうまくなりますよね。

逆にいうと、「練習をしても上達しない人」はいません。もちろん「適切な練習」という条件付きではありますが……。

心理言語学というマニアックな学問の視点から、あなたに「文章の力」を身につけてほしい、文章力を身につけないとあまりにもったいない理由があります。

それは「言葉には、仕入れも設備投資も要らない」という、おそらくほかにはない強烈な優位性があるからです。


【冬の講座】
日時:2017年2月25日(土)15:00〜20:00頃
場所:メイフェア(新潟市中央区寄居町)
料金:10,000円(お食事つき)
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:文章の書き方 〜 言語戦略
  言葉が変われば関係が変わります。
  相手との関係は、あなたが使う言葉次第、
  そして書き方、話し方次第です。
  気持ちいい人間関係を築く「言語戦略」で、
  人生を豊かにしましょう。

※お申込みは http://mf07.com/lesson.html からどうぞ



●「仕入れも設備投資も要らない」がなぜ強烈か

「いつか自分で仕事をしたい」という方は大勢います。「好きなことをして食べていきたい」という夢ですね。

ところが、そう甘くない現実も知っている。なにしろ、スタートするのがそもそも難しい。

知識や技術や勇気だけでなく、お金も要る。

あなたがもし、何か商品やサービスを提供しようと思ったら、なんらかの仕入れや設備投資が必要となるでしょう。

これがかなりの額になるわけです。

食べ物を売るには、食材を仕入れる必要がある。陶器を焼いて売るにも、粘土を仕入れる必要がある。

100円を手にするために、30円や50円を先に払わなければならない。しかもその30円なり50円なりが、ちゃんと100円になる保証はない。売れなければ、ゼロ。

シビアですね。

それだけではありません。飲食店を始めるには小規模でも数百万円の機器が要るし、陶器を焼く窯も、電気式の機械で安く抑えても100万円近く。しかも業務用ではないから負荷がかかるとすぐに故障して余計に高くつく。

美容室は仕入れが少ないほうだと聞きましたが、それでも開業時の設備投資は機械設備だけで数百万円。

建物から建てたら数千万円です。テナントに入っても内装工事に数百万円はかかる。

スタートするだけで、ですよ。

オフィス用に物件を借りるとしたら、ただ契約するだけで数十〜数百万円が必要です。

商売って、そういうものですよね。

自分で開業すると、そんなシビアな現実に直面することになります。



●「能力さえあれば好きに使っていい」という特殊

あなたはもう、「そう甘くない」と知っているかもしれません。

そう、甘いわけがない。

だとしたら、「仕入れも設備投資も要らない」という言葉の優位性がどれほど強烈であり、どれほど羨望の的であり、どれほどありがたいかがよく理解できるでしょう。

言葉そのものを売るのでなくても、言葉を使って何かを売ろうとしたとき、すでにあなたには「言葉」があります。

言葉を使うのに経費はかかりません。家賃も電気代も仕入れ担当者の人件費も宣伝広告費も、何も要らない。

「言葉」というツールが持つ、きわめて特殊な性質です。

紙と鉛筆さえあればいい。

スマホでもパソコンでも、文章が書ける。

なんなら口で言って書き取ってもらってもいい。

声で録音しておいて、誰かに文字にしてもらってもいい。

メディアを選ばない。

そんな自由度の高い材料が、ほかにありますか?

陶器を焼くには、やっぱり粘土でなければいけない。「なんなら小麦粉でも」というわけにはいきません。

「蜂蜜を使うのに、純粋はちみつを仕入れたいが、高いから純粋はあきらめるか」という判断をするかもしれません。

しかし言葉なら、そんな判断は要らない。どんな言葉も、無料です。

しかも、すでに持っている。「どう使うか」の能力さえあれば、好きなものを好きなだけ使っていい。

こんな道具がほかにあるでしょうか。

それが言葉です。
言語能力です。
文章力です。

そこにある道具と材料を、タダで好きなように使って、いくらでも「価値」を作っていい。

とはいえ誰にでも「価値」が作れるわけではない。道具と材料を使いこなす能力があれば、の話。

料理に喩えるなら、調理器具や食材をなんでも好きなだけ使わせてくれて、しかも作った料理は自分で好きなように売っていい。

まるで「錬金術」ですね。

それが文章力です。

「文章力を身につけないとあまりにもったいない」理由がお分かりいただけたでしょうか。



【冬の講座】
日時:2017年2月25日(土)15:00〜20:00頃
場所:メイフェア(新潟市中央区寄居町)
料金:10,000円(お食事つき)
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:文章の書き方 〜 言語戦略
  言葉が変われば関係が変わります。
  相手との関係は、あなたが使う言葉次第、
  そして書き方、話し方次第です。
  気持ちいい人間関係を築く「言語戦略」で、
  人生を豊かにしましょう。

※お申込みは http://mf07.com/lesson.html からどうぞ


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