2017年04月25日

【声のサロン】今後の課題曲

●今後の課題曲リスト

「声のサロン」会員にご連絡です。

「Musica proibita」(S.Gastaldon)をじっくり歌い込みましたね。

今後の課題曲は、次のような感じで進めていきます。


・Gia il sole dal Gange(Alessandro Scarlatti)
・Ti voglio tanto bene(E.de Curtis)
・'O sole mio(E.di Capua)
・Passione(E.Tagliaferri)
・Vaga luna, che inargenti(V.Bellini)
・Sogno(F.P.Tosti)
・Torna a Surriento(E.de Curtis)
・Per pieta, bell'idol mio(V.Bellini)


以前に発表したものから少々変更があります。

今年はかなり負荷をかけてガンガン進めていく予定でしたが、かえってあっさり通り過ぎるだけになったらもったいないので、復習も入れながら新しい曲に取り組んでいきましょう。

歌うと気持ちいい名曲ばかりです。

次回は「Gia il sole dal Gange」。

古典歌曲は歌い込むほどに良さが分かってきますね。

じっくり歌って、良い発声トレーニングにしましょう。



※声のサロンは、良い声で話せるようになる
 ボイストレーニング話し方教室です。
 日本発声協会が認定する話し方発声法の基本、
 共鳴発声法が学べます。
 平日コースと週末コースがあり、フェルマータを会場に
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 新規に受講をご希望の方は、事務局(メイフェア)まで
 お電話(025-211-7007)ください。

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新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
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2017年04月09日

【声のサロン】声の感性を育てよう

●自分感覚を捨てると伸びる

ちょっと前にこんなメールが届きました。


> 今日の先生の説明で、
> やっぱり自分感覚で練習していてもダメなんだと
> はっきりわかりました。
> 母音のイがいい音になっているなんて、
> 全然気がつきませんでした。


おもしろいもので、自分では気がつかないんですよね。

「イの色が良くなった」と言われてはじめて、「そうだったんだ」「このイが良いイなんだ」と気づく。

本人の感覚では、「良いイになっている」とは感じていなかった。

しかし、普段から丁寧にトレーニングしているから、母音イは殊更に意識をしながら発している音だったはず。

だから、気づかないうちに良い色のイになっていたんですね。

これがもし、「べつに良いイになどなっていない」と感じながら一人でずっと練習していたら、せっかく獲得した発声技術がまたズレていたことでしょう。

あらゆるトレーニングについて言えることですが、「自分感覚」に頼ると伸びません。

「聴く耳」は生まれつき持っているわけではなく、トレーニングで獲得するものです。



●トレーニングで耳が育つ

トレーニングで「聴く耳」が育つプロセスは、次の段階で進みます。

1. 良い発声とそうでない発声の区別ができる
2. 良い発声を心地よく感じる

まずは、良い声かどうかの「区別」ができる段階です。

この耳が手に入ると、一人でトレーニングしている期間に大きくズレることがありません。

でも、そこで終わりではない。

「良い声を心地よく感じる」段階に至ります。

「区別」から「感性」へと進むのです。

「分かる」だけでなく、「感じる」。

先ほどの「イ」を聴いて、「良いイだな」と自分で分かるのが最初の段階。

そのイを聴いて「気持ちいい」と感じ、そのイからズレると「なんかヘン」「気持ち悪いな」と感じるのが、次の段階。

そこまで来たら、本物の「声の感性」が育ったといえるでしょう。

ただし、「区別」にも「感性」にも共通して必要な条件が、「良い声を出す技術を持っている」こと。

「出せる」技術があって、はじめて「これでいい」と確信が持てるし、その判断に説得力が出る。

「良い声が出せる」技術を目指してトレーニングしましょう。

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タグ:声の感性
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2017年04月06日

【朗読】しゃべるたびに話し声のトレーニング

●「仕事中はつい声の意識が薄れてしまう」

話し声について、こんなメールが届きました。

> 練習ではしっかりした声が出ている気がするのですが、
> 仕事中はつい声の意識が薄れて、届かない声になってしまいます。

分かります。

発声トレーニングでは、しっかりした発声を身につけるために、遠いターゲットを想定して声を出すのが有効です。

3〜5m前方にぬいぐるみを置いて発声トレーニングに使うのもいい。

しかし、実際のおしゃべりで3m離れた相手と会話をするケースは、まずありません。

3m離れた相手を「呼ぶ」ことはあっても、そのまま延々と会話を続けはしないでしょう。

私たちはたいてい、120cm以内の近距離で会話をしています。商品やお金を手渡す場合は50cm程度まで近づいて、しばらくそのまま話すこともあります。

だとしたら、3m先の相手に話しかける声量で会話をする機会はほとんどない、ということです。

もちろんトレーニングには負荷が必要ですから、剣道の竹刀に重りをつけて素振りの稽古をするのと同様、発声トレーニングで遠くまで声を届けようとするのは有効であり、必要でもあります。

とはいえ、実際の場面で発声技術を使いこなせていないのでは、しょうがない。

使えてこそ技術ですからね。

歌声を話し声に適用するように、遠距離ボイスを近距離ボイスに適用していきます。



●響きの感覚を味わいながら話す

相手までの距離が近いと、「ターゲットの意識」が持続しにくい。

無造作に声を出しても、聞こえはするからです。

そんなときは、「響きの感覚を味わいながら話す」ように心がけてみてください。

トレーニングでつかんだ響きの感覚を、口蓋を中心に味わいながら話すのです。

『坊っちゃん』や『走れメロス』で朗読しながら、口の中に感じる振動が一定の強さをキープするように練習するといいでしょう。

「響きが途切れないように、消えないように」と意識すると、やりやすいかもしれません。

しゃべる機会はすべて話し声トレーニングにしましょう。

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タグ:朗読 話し声
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2017年03月27日

【声のサロン】力みを除いたときに本物の声になる

●歌もしゃべりもリラックス

良い声を出すには、リラックスが大事。

体を楽にして声を出していますか?

「歌としゃべりの発声は、どう違うんですか」とよく質問されるのですが、話し声も歌声も基本は同じ、声帯の振動音に共鳴を加える発声法です。

声の高さや持続時間、強さなどに違いがあるとはいえ、「肺からの呼気で声帯を振動させて喉頭原音を作り──」といった基礎となる発声のメカニズムに違いはありません。

「体を楽にして、無駄な力を入れずに発声」も、共通のポイントです。

ガチガチに力んでいませんか?

のびのびと楽に声を出しましょう。



●力がなかなか抜けない……

とはいえ、気づくと力んでいるでしょう。

「あ〜あ、さっきも意識してリラックスしたばっかりなのに」と悔しくなるかもしれません。

でも、発声は筋肉運動ですから、必要な筋肉だけでなく、不要な筋肉もつい使おうとしてしまうのは、仕方ないんです。

すごく重いダンベルを持ち上げようとしたときに、上腕二頭筋とはまったく関係ないはずの顔の筋肉が緊張して、ニカッと笑っているような顔になったりするでしょう。

腕と顔ほど離れていても、ですよ。

まして、声帯まわりの筋肉の操作法をトレーニングしているときに、すぐ近くにある首や肩、背中に力みが生じるくらい、むしろ自然な反応です。

だとしたら、練習の段階で肩や背中に力みが加わっても、目くじら立てずに流しましょう。

流すといっても、「放置する」のではなく、何事もなかったかのようにスッと力を抜いて、あとは囚われない。

「後から抜く」のも有効なトレーニングです。

共鳴発声法の正しい「形」を作ることに意識を集中するがあまり、つい力んでしまい、それでも形としては良い構えになって、ピーンと気持ちいい響きが出ることがあります。

そのときは、「力んでいたからダメ」ではなく、その声を出しながら力を抜けばいい。

「形」にとってマイナスな力みもあって(舌や喉の力み)、その場合はピーンに入りにくく無理がかかりますが、「形」を作る上ではさほど影響しない力みもあります。

喩えるなら、管楽器のマウスピースには問題ないが、管にわずかな歪みがあるようなもの。

どこかに力みがあったとしても、そこそこ良い声が出たのであれば、それはそれで発声の進歩です。



●スイートスポットに入れ直せたら合格

良い声が出たら、あらためて脱力すれば、それでいい。

さらに、脱力したままスイートスポットに入れ直せるかを試してみます。

「形」をしっかり覚えていれば、リラックスして仕切り直しても、何回でも入れ直せるはず。

リラックスしてスイートスポットに入ったとき、声は本物になります。

ただし、「リラックスして」と「無造作に」は違いますよ。

「がんばらなくても楽に良い声が出せるレベル」を目指そうとして、「無造作に声を出す」になってしまうケースがあるのです。

細心の注意を払って、全力で「形」を整えましょう。

こんなメールが届きました。

> 小手先で無難に歌っても何にもならないので、
> 基礎をしっかり鍛えます。

まさにそのとおり。

すべてが載る「基礎」が一番大事です。

基礎から本物の良い声を育てましょうね。

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2017年03月26日

【声のサロン】継続によって身についた技は本物

先日、ある方がガラコンサートへの出演を尻込みしていました。

「だってみなさん、声が前とはぜんぜん違うじゃないですか」

つまり、「声のサロン」に通う会員たちが着実に実力を伸ばし、発声の技術が以前と比べてまるで別ものになっているのが分かり、「そんな方々と一緒に出演するのは恥ずかしい」という。

たしかに、会員のみなさん、声が以前とはぜんぜん違いますね。

今まで発声を習ったことのある方もない方も、共鳴発声法をきちんと習うと、発声技術が格段に上がります。

歌声も話し声も、共鳴発声法を覚えて2年もすれば別人の声になります。もちろん「正確にトレーニングすれば」という条件付きではありますが。

意外にも、成長に気づいていないのは本人ばかりで、2年前の自分と現在を比較したら、声の変わり方に驚くはずです。

別の会員は、「以前に録音した自分の声を聞いてみたら、あんな声を出していたのかと恥ずかしくなりました」と話していました。

そうでしょう。当時は知らぬが仏、恥ずかしく感じるだけの「声のリテラシー」がまだなかったのです。

すべてはトレーニングの「継続」によって獲得した成果です。よくがんばっていますね。

継続によって身につけた技術は、本物ですよ。

「以前の声が恥ずかしい」と感じるのは、「声を出す力」だけでなく「声を聞く力」も育ってきた証拠です。

同じ理由で、「だってみなさん、声が前とはぜんぜん違うじゃないですか」と尻込みしていた方も、みなさんの成長ぶりを聞き取る「声を聞く力」があるのだから、自信を持っていい。

当日は「今のせいいっぱい」を披露しましょう。



●比べる相手は「以前の自分」

もっとも、比較する相手は「みなさん」ではなく、「以前の自分」ですよ。

これから毎年ガラコンサートに出るのだから、1年前の自分と比べて、少しでも良い声で歌える成長を積み重ねていったら、それでいいではありませんか。

発声・話し方トレーニングは「継続する力を養うトレーニング」でもあるので、続けるコツとして覚えておいてください。

「他人と比べず、以前の自分と比べる」のが、物事を長続きさせるコツです。

ついでにもう一つコツを挙げておくと、「身近な人の評価は気にしない」。

身近な人ほど、マイナスの評価をしがちです。悪気はないのですが、そういうものなんですよね。

「ちっともうまくならないね」「才能ないんじゃない?」等など、マイナス評価を口にする人が身近にいるなら、一切耳を貸さないことです。

言われれば気になって、落ち込んだりするかもしれませんが、「声のプロではないのだから、成果を正当に評価できなくて当然」と解釈したらいい。事実、そうなんです。

日々コツコツ積み重ねている成果を台無しにされないように、他人と比較することなく、他人の言葉に一喜一憂することなく、じっくりと本物を育てていきましょう。

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2017年03月25日

【声のサロン】「継続」以上に大事なことは、何もない

前回の記事を読んだ方から、こんなメールが届きました。


> 声のサロンのブログに書かれていた「姿勢まで含めてレッスン」
> これは成果だけに目を向けていると薄らいでしまいますね。
> 当日の成功よりも、それまでの、そしてそれ以降の取り組みこそが大事。
>
> むしろ、そちらのほうがメインで発表当日のほうが
> 長いスパンでみたら一瞬で通り過ぎるものですよね。
>
> イベントのようなものは華やかで、つい目を奪われがちになりますが
> 演奏者であるならば、ふだんの取り組みこそ重要視しなくてはらないと
> あらためて感じました。


まさにそのとおりですね。

一時の盛り上がりではなく、「続いている」「繋がっている」ことが大事。

だから、ガラコンサートを特別な出来事と捉えるのではなく、連綿と続く流れの中のひとつと捉えるのがいい。

価値ある何かを手に入れるのに必要な条件はいくつかありますが、すべてのケースに例外なく当てはまる条件が「継続」です。

スポーツや音楽をなさっている方なら、誰もがよく分かっている真理でしょう。

超人と呼ばれるスポーツ選手、天才と称される音楽家、名人と讃えられる芸術家を目の当たりにすると、つい「凡人には計り知れない天賦の才能」と称賛したくなりますが、計り知れないのは「費やしてきた時間」であるはず。

「そこまで時間を費やしてきたなら、できて当たり前」と言いたくなるくらい、途方もない時間をトレーニングに費やしてきたにちがいありません。

だとしたら、希望が持てますね。

「生まれつきの才能より、費やした時間」なのであれば、すべての人にチャンスがある、ということです。

逆にいうと、「継続」が途絶えたら、すべての人が──どれほど才能に恵まれた人であっても──チャンスを失うのですから、安心ばかりはしていられませんけれどね。

繋がりが途絶えないように、続けましょう。



●共鳴のスイートスポットに「入れっぱなし」

共鳴のスイートスポットに入ったら、「入れっぱなし」をキープするよう意識してトレーニングしましょう。

スイートスポットから外れたときに、「入れ直す」のは大事ですが、それ以前に「外れないようにする」ことが優先です。

まさに「継続」ですね。

まずは、ピーンの感覚を得るために「えいっ!」とパワーで押し切るのではなく、「技で入れる」ように、スイートスポットに入れるのでした。

「えいっ!」という勢いでやっつけるのではありません。「ちょっとしたコツ」でもありません。

時間を積み重ねて育てる「技」です。「職人技」です。

スイートスポットに入ると「良い声が楽に出る」ので、ちっともがんばっている気がしないかもしれませんが、その感覚を得るためのトレーニングは毎日コツコツとがんばって積み重ねましょうね。

ピーンと入ったら、その感覚を「次の音」に引き継いでください。

一音一音いちいち入れ直すのではなく、いったん捉えたピーン感覚をそのまま引き継いでいく。

入れ直すのではなく、入れっぱなし。

「継続」の大切さが分かる人なら、分かるでしょう。

引き継ぎを正しくしないと職場が混乱すると分かる人なら、分かるでしょう。

秘伝のたれが好きな人なら、分かるでしょう。

万が一スイートスポットから外れてしまったら、入れ直します。

しかし、「入れ直す」のが前提ではなく、「入れっぱなし」が前提です。

しばらく意識してトレーニングしてみてください。

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2017年03月22日

【声のサロン】次回のレッスンまで間があるので

●「声のサロン」受講者の方へ

新潟ガラコンサート前の大事な時期だというのに、次回のレッスンまで間があいてしまったので、ここでレッスンの続きをしましょう。

発声技術を高めるためのレッスンです。

次の3つの話をします。

1. ガラコンサートは節目ではない
2. 力ではなく技で共鳴のスイートスポットに入れる
3. リラックスしてのびのびと声を出す

では、まずは「ガラコンサートは節目ではない」の話から。



1. ガラコンサートは節目ではない

ガラコンサートが近づくにつれて、緊張が高まってくるかもれしません。

・失敗したら恥ずかしい
・恥をかきたくない
・今までの練習の成果が問われる

こういった思いがあると、どうしても緊張しますね。

しかし、ガラコンサートはゴールではないし、なんの節目でもありません。

いつものレッスンの中で、「ではちょっと声を出してみましょうか」と言われて歌う程度のこと。

場所が違うだけで、いつものレッスンだと思ってください。

ずっと繋がっている時間のうちの、ただの一点です。

「今年のガラコンサートは○○を歌いますが、来年は○○に挑戦します」と早くも来年の曲目を宣言していた方がいます。

すばらしい。当たり前のように次回を見据えている姿勢がすばらしい。

ガラコンサートをどういうものと捉えているかの姿勢によって、緊張感にも出来具合にも影響があります。

だから、「姿勢」まで含めてレッスンなのです。

良い声で話し、歌うには、体の状態を整える必要があります。

体を整えるには、「姿勢」を整える必要がある。

ガラコンサートを「大きな節目だから失敗できない」なんて考えているところがあるとしたら、「いつものレッスン。場所が違うだけ」と捉え直してください。

さて、来年は何を歌いますか?



2. 力ではなく技で共鳴のスイートスポットに入れる

共鳴発声法のトレーニングをしていますね。

ピーンの感覚を得るためにパワーで押し切るのではなく、「技で入れる」ように、スイートスポットに入れてください。

「スイートスポット」とは、テニスのラケットでボールを打つ際に最小限の力で最大の威力を発揮できる打点のこと。

スイートスポットに正確に当てれば、ラケットのグリップを指でそっと挟んでいるだけで、つまりラケットがフラフラするような状態でも、ボールがポーンと返っていくのだそうです。

発声にもスイートスポットがあります。最小限のエネルギーで、最大の効果を発揮する形(発声器官の構え)です。

「ここ」というスイートスポットを覚えて、毎回確実にそこに入れられたら、何回繰り返しても必ず良い声が出ます。



3. リラックスしてのびのびと声を出す

スイートスポットと関連のある話です。

力んで強引に声を出そうとすると、良い形になっていなくても、それなりに声が出てしまいます。

ラケットのスイートスポットから外れた場所に当たっても、思いっきり振り抜けばボールが飛んでいくのと同じですね。

だからこそ、力で強引に持っていく癖がつかないように気をつけましょう。

力みは全身に影響を及ぼします。

肩や首や背中がこわばり、喉が詰まって、良い声が出なくなります。

良い声を出すには、脱力が肝心なのです。

リラックスして、のびのびと声を出しましょう。

息も、節約しようとせず、気持ちよく「出す」。

息なんか出せば入ってきますから、心配は要りません。

楽に、のびのびと、出しましょう。

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2017年03月03日

敬語は楽器のように身につける

●「敬語に自信がありません」

昨日、こんなご相談がありました。

「状況に応じて適切な敬語を即座に返すのが難しくて、変な言い方をしてしまうことがあります。後からゆっくり考えれば、正しい敬語が分かるのですが……」

後からゆっくり考えれば適切な敬語が分かるとしたら、基本的な知識はすでに持っているわけですね。

なのに、うまく話せない。妙な敬語を口走ってしまう。

相手に何かを見せようとする場面で、「ご覧になってください」ではなく「ど、どうぞ、は、拝見してください」なんて言ってしまって、後から思い出して赤面、なんてケースですね。

適切な場面で適切な敬語が使えないのは、多くの場合、知識の問題ではありません。

「ご覧になる」と「拝見する」のどちらが相手用、どちらが自分用かを正しく答えられるなら、問題は知識ではなく技術のほう。

「知っている」が知識、「できる」が技術です。

楽器に置き換えると、分かるでしょう。

楽譜が読めるなら、「この音符は?」と聞かれて高さや長さを答えることはできる。

「このドは四分音符で、次のミソドが八分音符で……」とすべての音符について答えていくことだって難しくない。

「知識」はあるからです。

だからといって、バイオリンを構えてその旋律が弾けるかというと、そうはいかない。

「技術」がないからです。

技術を身につけるには、座学による勉強ではなく、「トレーニング」が必要です。毎日の練習ですね。

敬語も同じ。

実際の場面で敬語を使うトレーニング、すなわち「実地訓練」が必要。

頭で考えながら答えを出すのではなく、「体から自然に出る」「息をするように敬語を使う」状態になるまで、何度も何度も、失敗しながら繰り返しトレーニングする。

もうマスターできたと思っても、心理状態が変われば勝手が変わります。

緊張を強いられる場面になると、「正しい敬語で話さなければダメだ。それも、普段よりもっと丁寧度の高い敬語で」なんて力むので、余計に妙な敬語が出やすいでしょう?

「すぐ上の上司」くらいなら適度な敬語がサラッと出てくるのに、「社長の恩師が訪ねてきた」みたいな状況になると、自分の知っている最も丁寧度の高い敬語を無理にひねり出そうとして、しくじるんですよね。

それが良いのです。身につくまでのプロセスで、失敗は必須の要素です。失敗を避けようとしないほうがいい。失敗すればするほど、早く身につきます。



●コツは「常に丁寧に話す」

敬語については、「常に丁寧に話す」よう心がけるのが、早くマスターするコツです。

1. 敬語を積極的にどんどん使う
2. 間違えたら、後で正しい敬語を反復練習してリハーサル

間違えるのを怖がって敬語を避けるようになると、いつまでも自信が持てません。

「いらっしゃる」「お越しになる」「来られる」……どれが適切なんだろう……ええい面倒だ、と判断を放棄して、「来ますか?」とやってしまっても、その場はやり過ごせるかもしれません。

中には、「この人との関係で丁寧度の高い敬語を使うのはシャクだ」などと感じて、わざと丁寧度を下げようとする人もいるそうです。

「○○さんもいらっしゃいますか?」という言葉が意識に浮かんでいるにもかかわらず、あえて「来るんですか?」とぶっきらぼうに言い換えたり。

実にもったいない。

敬語は相手のためだけでなく、あなた自身のふるまいを美しくする、つまり「発話品質を高める」ために使うのだから、過剰になって構わないから積極的に敬語を使いましょう。

何事も、身につけるには「過剰」が有効ですね。

今までだったら「あ、見ました?」とラフに返していた場面で、「あ、ご覧になりましたか?」と丁寧に返す。

敬語は音の数が増えるので、もたつく感じがありますね。それがいい。

「食べます?」と聞いていたのを、これからは「召し上がりますか?」と聞く。

「常に丁寧に話す」ように心がけることで、日常がトレーニングになります。

間違えたら、後から何回も練習して、次回に備えてリハーサルをすればいい。

楽器の練習のように、何度も何度も繰り返しましょう。

* * *

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2017年02月05日

【共鳴発声法】声は油断すると元に戻ってしまう

●良い声を身につけるコツ

昨日はフェルマータ(新潟市)で「声のサロン」でした。

会員のみなさん、着実に声が成長してきていますね。

丁寧なトレーニングを積み重ねている様子が伝わってきます。

真剣に発声トレーニングをしている姿がうれしいので、今日は「声の成長を積み重ねるコツ」をお話しします。

発声は、生まれてこのかた一度も習ったことがない、という方が一番多い。学習塾やスポーツジムとはちょっと事情が異なります。

「でも心配は要りません」とお伝えしたことがありますね。先入観がない分、まっさらなほうが素直な成長をしやすい。

私は小学生の頃から合気道に通い、学生時代に空手を始めたときに、たいへん苦労しました。というより、空手の師範に苦労させてしまいました。

合気道の動きが身についているので、空手の型を教えていただいても、動きがズレるのです。

やはり「まっさらな気持ちで一から」が伸びる条件ですね。



●ホメオスタシスの原因は「自分感覚」

発声は武道と違って、習った経験がなくても、一種の先入観を持っているケースが多い。

何十年にもわたり毎日声を出し続けてきたのだから、誰でもそれなりに自分なりの「声に対する感覚」を持っているんですよね。

だから、初めて習うはずなのに、声を出しながら自分で「あ、今のじゃダメだ」なんてつぶやく。

おもしろいですよね。「良い声」の確たる基準をまだ持っていないはずなのに、「今のは変な声」「自分の声はダメ」と自分の声について判断してしまうのですから。

実はここ、たいへん重要なポイントです。というより、声の成長を妨げる最大の要因です。

初めて教わる共鳴発声法は、慣れない発声なので、違和感を覚えるのは当然です。だからといって、自分が今まで持っていた感覚で「今のは失敗」などと判断して発声を中断したり、やり直したりしていたら、伸びません。

なぜなら、そのやり方では、結局は我流でトレーニングをしているのと変わらないからです。

声を出しながら「あ、ダメだ」と恥ずかしそうな顔をしている人に、私から「ぜんぜんダメではありませんよ。そのまま続けて」と伝えるケースはよくあります。

「あ〜」と声を出し始めても、ほんのわずかに声が裏返りぎみになっただけでピタッとやめて、「う〜ん、難しいですね」なんて言っている人に、私から「裏返りは気にせずにそのまま伸ばして」と指示することも。

つまり、

・自分感覚で良し悪しを判断してしまう
・今の段階で気にすべきでないことを気にしてしまう

この2つは、素直な成長を妨げてしまう要因なのです。

成長は、変化です。変化には「現状の否定」という痛みを伴います。

痛みがあるので、みんながみんな、スムーズに伸びていくわけではありません。

元の居場所のほうが楽なので、元に引き戻そうとする力が働くからです。

元に引き戻そうとする力を「ホメオスタシス」(現状維持機能)といいます。

変化したいなら、ホメオスタシスを引き離す必要がある。

このとき、最大の敵は、「自分感覚」。

なぜなら、自分感覚こそホメオスタシスそのものだからです。

従来の自分の感覚で「これはいい感じ」「これはダメ」「このくらいでいいかな」と判断をして、やがて元に戻ってしまいます。



●丁寧に正確に繰り返す

「早起き」という新しい習慣を身につけたいとしたら、当分は「眠いけれど、がんばって起きる」という「痛み」に耐える必要がありますよね。

「もうひと眠りしたい」「あたたかい布団から出たくない」という自分の感覚を優先したら、瞬く間にホメオスタシスに引き戻され、かつての朝寝坊さんに逆戻りしてしまう。

声も同じです。

良い発声が新しい習慣として完全に染みつくまでは、油断するとあっという間に声が元に戻ってしまいます。

たとえば、

・喉を開ける意識が弱まって、喉が詰まりぎみ
・声に無頓着のまましゃべり続けている場面が多い
・発声トレーニングの時間が最近短くなっている
・レッスン時に「今のが良い声」と褒められた声が再現できなくなる

といった状態として現れます。

トレーニングで身につけている技術が、頭で分かるだけでなく体に染みつくように、油断せず、丁寧に正確に繰り返し練習しましょう。



【声のサロン】
日時:月2回(平日と週末の2コースあり、各2回/月)
場所:フェルマータ2階(新潟市中央区上近江)
料金:月6,000円(税込)
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:共鳴発声法による話し方のレッスン

※詳しくは http://mf07.com/lecture.html をお読みください

* * *

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2017年01月06日

【トレーニング】発声トレーニングで成果を上げる秘訣

●「自分をあおる感覚」が大事

スポーツでも趣味の習い事でも仕事に役立つ訓練でも、トレーニングの成果を上げる秘訣があります。

それは「なりきり」。

たとえば料理を習うとしたら、「料理に夢中で取り組んでいる自分」になりきるのです。

そういう人として行動することによって、そういう自分へと煽っていく感覚。

「良い状態になるのを待つ」ではなく、「良い状態を作っていく」。

積極的に「そういう人としてふるまう」のです。

外食したら、どうやって作っているのかと気にする。書店に行ったら、当たり前のように料理本のコーナーに向かう。美容室で雑誌を手に取ったら、おかずのレシピのコーナーが真っ先に気になる。

そういう行動や感じ方になるのを待つのではなく、自らそのように行動することで、意識を日に日に高めていくと、トレーニングの成果が出やすくなります。



●同じ行動でも、パワーが変わる

なぜ自分をあおり、なりきり、すでに「そういう存在」になっているとイメージしながら行動すると、トレーニングの成果が上がるのでしょうか。

なぜなら、同じ動作でも意識の持ち方で効果が変わるからです。

職場の研修がなかなか成果を上げないのは、「職場に言われて仕方なく参加している」意識があって、気持ちが前向きではないから。

同じ研修内容でも、自分で自腹を切って参加している人は、成果が上がります。

「当たり前のように淡々と」が大事な意識だとお話ししましたね。その状態に自分を煽って追い込んでいく感覚が、ここでいう「自分を煽る感覚」です。

子どもの頃に何かの習い事をしていて、夢中で何かに取り組んでいた方なら、実感があるでしょう。

最初のうちこそ「親に無理やり習わされている」「ちゃんと行かないと叱られる」のような気持もあったかもしれませんが、続けていて「ソレが得意な自分」「ソレに馴染んだ自分」が育ってくると、意識が変わります。

事あるごとに、「ソレは自分の守備範囲だ」のように言ったり思ったりしながら、意識を高めていくのです。

ピアノを習っているなら、学校の合唱コンクールがあるときに伴奏者に立候補してみたり。

スポーツを習っているなら、体育祭で全力を出して好成績を残してみたり。

絵を習っているなら、授業で本気の絵を描いて美術の先生に褒められたり。

そのようにして「関わり」を深め、どっぷり浸かっていくうちに、「自分の一部」「生活の一部」になっていく。

煽り立てるように「目指す自分になりきる」人だけが成功する理由が、ここにあります。



●パティシエは「勤務中にお菓子を作る人」ではない

パティシエがお菓子を作るのは、「仕事だから」だけではありません。「お菓子を作る存在」になりきっているんですよね。

メイフェアのスタッフに「昨日の休日は何を?」と過ごし方を尋ねたら、「お菓子を焼いてました」と答えました。

それって、オンもオフも関係なくお菓子を作っている、ということではないか。

「ケーキを作らない日は何を?」の問いには、「ケーキを食べに行きます」。

そういうものなんですよね、本当のプロは。

いい接客をするプロなら、「仕事として接客するとき」だけ感じが良いのではありません。自分がお客さんとして食事や買い物をしていても、当たり前のように「感じの良いふるまい」になる。

「そういう存在」だから、オンもオフも関係ない。

メイフェアスタッフが「あ、わりい、今日はオフなんだわ」と言いながらビール片手にパチンコを打ち、「この台ぜんぜん出ね〜んだけど、どうなってんの」と店員さんに文句を言うふるまいは、まず考えられない。

そうそう、演奏家が「そんなの当たり前」と話していたのを思い出しました。バイオリニストは演奏会当日や全体練習の日など、いわばオンの日にはほかの関係者と一緒に演奏するし、演奏会もなく練習日でもない、好きに過ごしていい日には、一人で練習する。だからオンとオフの区別は意識にない。

時間があればバイオリンを弾く。「時間がない」というのは、バイオリンを弾くのに忙しくてほかのことをする暇がない、という意味。

もっとも、オンとオフがくっきり分かれる仕事もあって、消防士が「オフの日にも消火したい」というわけにはいきませんが、そんなケースなら四六時中ずっと意識を向けて自分を高め続けられる「ライフワーク」が見つかるといいですね。

「発声」や「話し方」は最適ですよ。



●「無理してがんばる」ではなく「なりきって楽にふるまう」

話し方、発声をトレーニングしているあなたには、あらゆる行動をひっくるめて「発話品質の向上」を目指してほしい。

「いつも丁寧にふるまうのは息苦しいのでは?」と躊躇する人がいますが、それは「無理して丁寧にしているから」。

丁寧できちんとしたふるまいが自分の標準になってしまえば、無理をしていないのだから、息苦しいわけがない。

論語に「七十にして、心の欲する所に従えども、矩を越えず」(好きなようにふるまったとしても、原理原則を外れない)とありますね。

もし、好きなようにふるまうと丁寧でなくなるとしたら、まだ丁寧な人になれていないんですよね。

「無理してがんばる」のではなく、「なりきって、当たり前のようにふるまう」のがオススメです。

自分自身と深く関係する行為なので、「いい話し方をする」「良い声で話す」「声を気にしてトレーニングをしている」自分になりきって、オンだろうとオフだろうと関係なく自分を高めていきましょう。

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新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室、大宮校についてはこちら
通る声、届く声の出し方の本


posted by テノール齋藤 at 00:00| Comment(0) | 声のサロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする