2017年07月27日

【声のサロン】声の基礎体力を高める方法

●「とにかく声を出す」だけでも鍛えられる

発声にも「基礎体力」があります。

みなさんにマスターしていただきたい共鳴発声法は、パワーではなくテクニックで出す発声法です。

だから、声帯に負担がかからず、年齢を重ねても声の老化を防ぐことができる。

とはいえ、「声の基礎体力」があまりに乏しかったら、テクニックでカバーしきれません。

身体的なテクニックと言われて真っ先に思い出しそうな器械体操だって、「立つのがやっと」の体力しかなかったら、基本的な宙返りすらできないでしょう。

「パワーよりテクニック」は合気道など武術にも通じますが、「歩くのがやっと」だったら技にも限界があります。

声も同じです。

いくら共鳴発声法を身につけようにも、至近距離で聞き取れないほど弱々しい声で、しかも数秒で息切れを起こすような状態では、発声トレーニングができない。

発声の基礎体力とは、肺に空気を吸い込んで吐く力や、声帯をちゃんと閉じる筋力、喉頭を適切な位置にキープする筋力(このあたりになると共鳴発声法のテクニックも含みますが)など。

ふだんからよくしゃべる人は、こういった基礎体力が高まっています。接客の仕事などで頻繁に声を出している方は、声の基礎体力は高いと思っていいでしょう。

しかし、声を出さずに黙っている時間が長い方は、声の基礎体力を高めていきましょう。

まずは難しく考える必要はありません。「とにかく声を出す」だけでも基礎体力は高まります。

それに、声を出せば出すほど、「自分の課題」も明らかになりやすい。

・よく聞き返される
・すぐ喉が痛くなる
・しゃべると疲れる
・タイミングよく言葉が出ない
・声を出すのが億劫

こういった“症状”を解消・改善していくためにも、自分の現状を見極めたい。

仕事中にあまり声を出さないなら、仕事が終わってからでも通勤中でも声を出すように心がけましょう。



●ハミングも効果的

「声を出せる環境がない」という悩みも聞きます。

そんな方は、ハミングだけでも効果的です。

ハミングとは「口を閉じたまま鼻から息を抜きながら声帯を振動させる」動作ですね。だからちゃんと声帯のトレーニングになっている。

「えっ、声帯のトレーニング? 声帯に負担をかけないテクニックを身につけたいのに」

そのとおり。それが共鳴発声法ですから。

でも、声帯は発声のおおもとです。管楽器でいえばマウスピースです。

声帯が衰えたり弱ったり老化したりしていたら、テクニックで補うにも限界があります。

つまりはそれこそが「声の基礎体力」なんですよね。

発声トレーニングとして積極的にハミングしてみてください。

ハミングは声帯のマッサージにもなります。広い音域にわたってハミングすると、スポーツ選手がスポーツマッサージをするように、発声器官の機能を回復することができます。

ハミングで出せる最高音から滑らかに(ポルタメントをかけるように)下げてきて、最低音まで来たらまた滑らかに最高音まで上げていく。

何回か繰り返すと、声帯のストレッチになります。ほら、ほぐれて気持ちいいでしょう。



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 日本発声協会が認定する話し方発声法の基本、
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2017年07月23日

【声のサロン】自分の声にガッカリできるのも実力アップの証拠

●声の満足度は高まり続けるか

「自分の声を変えたくて」と、声に不満があって発声トレーニングを始める方は多い。

発声トレーニングを始めると、声に対する感覚がすぐに変わります。

声帯や呼気の使い方、横隔膜の感覚、共鳴コントロールなんて、かつてはまったく気にしていなかったからです。

朗読や歌で「しっかりした発声」を練習していると、良い声が出たときに「あ、今の、良い声」とわかるようになります。

逆に「良くない声」にも気づくようになる。不安定に震えたりひっくり返ったりしたときに、今までは気にもしなかったのが、「震えた」「上ずった」「ひっくり返った」と自覚できる。

身につけた発声技術(共鳴発声法)によって、今までなら「良くない声」になってしまった状況で、「良い声」が出せるようになります。

ということは、発声トレーニングをしていれば、自分の声に対する満足度は上がり続けるのでしょうか。

答えは残念ながら「否」です。

理由は2つあります。



●「聞く耳」が育って粗がわかるから

まず、「聞く耳」が育つ、という理由があります。

「声のサロン」に通う前は発声技術がなかっただけでなく、聞く耳もなかった。だから、ちょっとおかしな発声になっても、気づかず聞き逃していた。

・声が完全にひっくり返った
・頭の中が真っ白で声が出なかった
・明らかに声が生っぽくて痛々しく聞こえた

ような場面でないと、声を気にしなかった。

「知らぬが仏」ですね。

しかし、声を聞く能力が育つと、今までは不満に感じなかった声にも、不満を覚えるようになるわけです。



●「声は自分の技術次第」とわかるか

もう一つの理由が、「もっと技術を高めさえすれば……」と思えるから。

つまり、以前なら「声が震えたか、震えなかったか」のように明らかにわかる違いに対応できる技術しかなかったから、それ以上の「声の色」(声の質的な魅力)なんて手に負えなかった。

ところが、技術的に高まってくると、自分の発声技術によって声の色が良くなったり悪くなったりすることがはっきり自覚できる。

「すべては自分の力次第」とわかるわけです。

この感覚を「自己効力感」といいます。

できるときは良いのですが、できないときに「自分のせいで、できない」と自覚できてしまうのもまた、自己効力感です。

この違い、わかりますか?

お出かけの日に大雨になったとしても、雨は自分のせいではないし、努力でどうにもなりはしないから、「雨には自己効力感が持てない」。

だから、雨に関して「私のせいで……」と落ち込むことはない。

しかし、発声は自分の技術や努力でいくらでも変わるから、良い声が出なかったら「自分の力不足で……」などと落ち込むわけです。



●だから、ガッカリは喜んでいいい

「歌の練習をしながら録音して、自分の声を聴いてガッカリした」
「練習後にガッカリして一人反省会をしていた」

と報告をくれた方がいます。

すばらしく真面目な取り組み方ですね。

ぜひその調子で丁寧に続けてください。

1年目に喜び、2年目にガッカリしたような場合、そのガッカリは「レベルアップの証拠」です。

声を聞いて粗がわかる「聞く耳」が育った証拠です。

「自分の力次第で声は変わる」と信じられるレベルになった証拠です。

だから、ガッカリは喜んでいいのです。

ガッカリを喜ぶなんて、ヘンな言い方ですね。



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2017年07月14日

【声のサロン】役割にふさわしい声の出し方

●ドスの利いた声なら貫禄が出るか

「役割にふさわしい声」があります。

逆にいうと、出す声で立場が決まる、ともいえる。

良い指導者になりたいなら、指導者にふさわしい声を身につける必要があるわけです。

たとえば、組織の中で責任ある立場になり、「貫禄のある話し方」を身につける必要を感じたとします。

「線が細いので、押しが弱くて」「女性だからと軽く扱われやすい」といった理由で、説得力や信頼度の高い話し方を目指したいケースですね。

では、質問です。どうしたら話し方に貫禄が出るかわかりますか?

「低い声なら貫禄がありそう」
「ゆっくり話すと落ち着きがあって貫禄を感じさせそう」
「ドスの利いた怖い声は?」

こんな答えが出てきそうです。

いずれも間違いではないにせよ、単独で正解とも言い切れません。

声の表面的な要素だけを捉えて真似るのではなく、「そのような話し方になる根本的な要因」を知ることが肝心です。

重要な立場になって人をまとめたり、大勢に話しかけたりする場合、ある種の「重み」が必要です。

「動じない」印象ですね。

軽々しく迎合したり動揺したりしない、安定感や信頼感につながる「重み」です。

そこから生じる、自信に支えられた声は、どんな声になるか。

高い声より低めの声を出すほうが効果的ではありますが、低い声でぼそぼそつぶやいたら気弱で頼りない印象を与えます。

早口よりはゆっくり話すほうが良いのは確かですが、言いよどんでゆっくりになっているなら逆効果です。

ドスの利いた怖い声を無理に出したら、「余裕がなくて虚勢を張っている」ように見えるでしょう。



●「動じない安定感」を声で伝える

表面的な要素だけを真似するのではなく、「表現したい内面性」を声で表現しようと考えると、効果的な話し方になります。

「動じない」を表現するとしたら、

・ピッチが激しく上下せず狭い範囲で安定している
・支えの強い充実した声
・比較的ゆっくりの話し方で一定のペースを保つ
・ジェスチャーなど体の動きは少なめ
・激しくうなずいたり表情が大きく変わったりせず、穏やかな表情で安定している
・レスポンスが気持ち遅め

こんな具合になるでしょうか。

ただし、このような話し方を真似る前に、まずは自分自身の現在の話し方を観察して、上記の各項目に合わない現状を探します。

たとえば、

「相手の言葉に反応して激しくうなずいている」
「ピッチの上下動が大きい」
「声の支えが弱くて優しい印象」

こんな点に気づいたら、意識しながら日々の発声トレーニングをして改善していきます。

あるポイントが改善すると、また別のポイントが気になるので、意識しながら改善していく。

この繰り返しで、目的とする発声・話し方に近づけていきます。

あなたはどんな発声・話し方を身につけたいですか?



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2017年07月04日

がんばりすぎないほうがうまくいく理由

●楽に吸うほうが吸える

前回の「息の吸い方」トレーニング、してみましたか?

腹部の筋肉がやわらかくゆるんでいないと吸いづらいことが体感できたでしょうか。

がんばっても、思ったほど吸えない。

というより、がんばりと成果の関係はどこかで逆転します。

何も吸う気がないよりは、「吸うぞ!」と気合を入れて横隔膜をぐいっと引き下げるほうが吸えるのは当たり前。

ところが、「吸うぞ、吸うぞ、吸うぞ」と気合をガンガン強めたらどんどん吸えるかというと、そうではありません。

お腹まわりの筋肉に力みを生じて、吸う動きを妨げてしまいます。

楽に吸うと、気持ちいいですよね。

リラックスして紅茶でも飲みながら、スーッと楽に吸うと、とっても気持ちいい。

「わずかな一瞬でたくさん吸わなければならない」と切羽詰まった状況でガバッと吸っても、入る息の量はあまり多くならないし、ちっとも気持ちよくない。

リラックスしたままいかに吸うか、がポイントです。



●武術でも脱力が肝心

合気道を習い始めた小学生の頃、「脱力が大事」と教わりました。

「脱力しないとパワーが出ない」という説明では、小学生にはうまく理解できていない様子が伝わったのか、拮抗筋の解説をしてくれました。

力めば力むほどすごいパワーが出そうな気がするけれど、むしろ逆。物を持ち上げようとしてがんばって力むと、持ち上げるための筋肉だけでなく、正反対の働きをする拮抗筋を、つまり下げるための筋肉まで収縮させてしまう。

これではアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもので、がんばりのわりにパワーが出ない。

「がんばろう」「もっと力を入れよう」とするのではなく、持ち上げるための筋肉だけを正確に収縮させるのが、最も大きなパワーが発揮できる状態。

そのためには、正反対に働く拮抗筋を完全にリラックスさせる必要がある。

リラックスさせれば、楽になる。

だから、最大のパワーを発揮している状態は、楽。

この「がんばりすぎないほうがうまくいく」メカニズムが理屈ではなく感覚でわかると、楽に大きな力を発揮できるようになります。



●数字で考えてみると

数字でも説明してみましょうか。

持ち上げる筋肉を50のエネルギーで引っ張りながら、下げるための筋肉も同じ50のエネルギーで引っ張るなら、合計100のエネルギーを使っているのに、逆方向に等しい力が働いているから、物体が動こうとする力はゼロ。

100のエネルギーなんか使ったらクタクタになるのに、物体はびくりとも動かない。

持ち上げる筋肉だけを10のエネルギーで引っ張れば、費やしているエネルギーはわずか10分の1なのに、物体が動く。

力めば力むほど、無駄なエネルギーを使ってしまう。

必要最小限のエネルギーで力を発揮するには、がんばりすぎないことが大事です。

「拮抗筋を使わない」は脱力トレーニングをしないと難しいのですが、「がんばりすぎないでリラックス」なら、すぐにでも役に立つアドバイスとなるでしょう。



●7〜8割で十分

発声もコミュニケーションも同じです。

最初から最後まで全力疾走のような発声は、歌もしゃべりも、よくない。

7〜8割のがんばりがちょうどいい。

時速200kmのスピードが出る車も、限界の200kmで走っている状態はつらい。おそらく7〜8割の140〜160kmあたりに最大の能力を発揮するゾーンがあるはず。

スピーチの準備を当日までしっかりやったなら、本番でピリピリ緊張してもしょうがない。「もうやることはやった」と開き直って、7〜8割でしゃべる。

そのほうが、気持ちにも余裕ができて聞き手の様子も見えるようになり、「入れどころ」に集中できて、10割のフルパワーよりかえって良いスピーチになります。

一から十までがんばりすぎてしまうと、「集中のメリハリ」が利かなくなってしまうんですよね。エネルギーを注ぎたい大事なところで、くたくたに疲れていたり体を傷めたりしたら、かえってもったいない。

歌を歌うと、「集中の入れどころ」が大事だと実感できるでしょう。常にフルパワーでは、キメどころで決まらなくなったり、声帯を傷めてしまったりする。

「つい全力疾走してしまう」という真面目なタイプは、意識して7〜8割で走るようにしてみてください。



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2017年06月29日

【声のサロン】しゃべり始めの息の吸い方レッスン

●呼吸に関わる2つの筋肉とは

前回のレッスンから次回まで少々間があくので、ここでワンポイントレッスンをします。

次回までしっかり練習をしておいてください。

「横隔膜を下げる息の吸い方」です。

しゃべり始める瞬間、息を吸いますね。

このとき、呼吸に関わる主な2つの筋肉のうち、一方は緊張を強め、他方は緊張をやわらげます。

呼吸に関わる主な2つの筋肉とは、肋間筋と横隔膜です。

肋間筋は肋骨を動かす筋肉なので、肋骨を起こして胸郭を広げる働きがあります。

横隔膜は肺を下方へ引き下げて息を吸い込む働きです。

いずれも呼吸に必要な筋肉であって、どちらか一方のみを使うのではありません。肋間筋を動かして胸郭を広げるのが胸式呼吸、横隔膜を下げて肺を下方へ引っ張るのが腹式呼吸、などと名前をつけて呼ばれることもありますが、全体を効果的に使う呼吸が「発声に役立つ良い呼吸」です。

といっても、多くの人は「息を吸って」と言われると胸を動かそうとするので、「全体を使いましょう」という意味で「腹式呼吸をしましょう」と言われやすいのでしょうね。

けっして「胸は使わない。腹部のみを動かすのがいい」という意味ではありませんから、まずはこの点を正しく理解しておきましょう。



●横隔膜を使うとリラックスする

さて、先ほど「呼吸に関わる主な2つの筋肉のうち、一方は緊張を強め、他方は緊張をやわらげる」と言いました。

肋間筋を使う胸の呼吸は交感神経を刺激して活動性を高め、横隔膜を使う深い呼吸は副交感神経優位のリラックス状態にします。

胸でハアハア激しく呼吸すると緊張が強まり、ゆったり深く呼吸をするとやわらいでくるのは、そのせいです。

「吸う」と「吐く」で区別するなら、「吸う」は交感神経、「吐く」は副交感神経を優位にします。

朝起きると、自然に息を吸いたくなるのは、活動を始めようとしている体の自然な反応なのでしょうね。緊張をやわらげたいときは、「吐く息を長く」する呼吸が効果的です。

人前に立って話すときは、ただでさえ緊張しやすい。

そんなとき、緊張と相性のいい胸の呼吸でハアハアすると、余計に緊張します。

「深呼吸で気持ちを落ち着けよう」とするのは正しい方針としても、胸ばかり大きく膨らませる呼吸でハァ〜、ハァ〜とやったら、かえって緊張が強まってしまう。

意識的に横隔膜を下げて、本当の深い呼吸をしましょう。



●言い出しのブレスをお腹で

今回トレーニングしたいのは、しゃべり始める瞬間に息を吸うときの動作です。

このとき、お腹を使った横隔膜の呼吸でスッと吸えると、楽に、リラックスして、たくさんの空気を吸うことができます。

上半身の上のほうを動かして「ハッ!」と吸うのではなく、腹部が前にも横にも後ろにやわらかく膨らむ吸い方でスッと吸いましょう。

腹部の筋肉はやわらかくゆるんでいる必要があります。

筋肉がガチガチに固いのは、コルセットや帯をきつく締めているようなもので、息が吸えません。

背中も腰もゆるめて、楽にスッと吸いましょう。

「息が吸いにくい」と感じるときは、先に息を全部吐いておいて、自然にスーッと入ってくる感覚を味わってから、腹部の動きを再現してみるといいですよ。

「しゃべり始めに、お腹をゆるめてスッと鼻で吸う」練習をしておいてください。



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2017年06月15日

【声のサロン】発声のスイートスポットは体で覚える

●テニスと発声の関係

声にはスイートスポットがあります。

声帯の使い方や共鳴の捉え方が最高の状態になったとき、まるで小さな一点に声が集まっているかのように感じられるポイントのことです。

楽で、気持ちよくて、まさにスイート。

スイートスポットは共鳴発声法で使われる言葉ではありますが、もともとはテニスかゴルフの用語のようです。

あるテニスプレイヤーの話では、ラケットのスイートスポット(最適打球点)でボールを捉えると、ラケットをしっかり握らなくても、親指と人差し指で挟んでいる程度の力でポーンとボールが返っていくといいます。

私が昔、テニスの真似事をさせてもらったとき、「もっと握力を鍛えないとボールが安定しないな」なんて感じたのは、単にスイートスポットで捉えていなかっただけなんですね。

スイートスポットで捉えれば、とにかく楽で、とにかく気持ちいい。



●発声にハマるメカニズム

声のスイートスポットは、知識としてではなく、体で覚えるものです。

「熱い」という感覚を言葉でいくら説明されても、熱さの体験には近づかないようなもの。

皮膚の感覚点で捉えた刺激がどうなって脳に伝わってどうなる、なんて詳しく説明されても、いや、詳しければ詳しいほど、「熱い!」という体験からはかけ離れていく。

声も似ているな、とつくづく思います。

言葉ですべて説明するには声の持つ情報量が多すぎて、手に負えない。体で覚えるしかない。

特に、正解にたどり着いてスイートスポットに入ったときの「これだ!」という感覚は、本人にしかわかりません。

本当の意味で「発声にハマる」瞬間です。

このあたりになると、まさに「知る人ぞ知る世界」でしょう。

「これだ!」の感覚を経験した方なら、よくわかるでしょうね。

まだ経験していない人は、「わかる人にはわかる、わからない人にはわからないなんて、当たり前じゃないか」と、煙に巻かれているような、イジワルされているような気分になるかもしれない。

でも、そういうものなんですよね。

丁寧にトレーニングすれば、やがて「これだ!」が味わえますから、大丈夫ですよ。



●発声の形が体に馴染むと入りやすくなる

かといって、スイートスポットを知った人と知らない人が「天国と地獄」の違いかというと、そう単純でもない。

「知らぬが仏」という言葉もありますからね。

知ってしまった人は、「うまく入らない苦しみ」も知ることになる。

スイートスポットに入った気持ちよさを知っているから、うまく入らないときにあきらめきれない。

だから、いい。たゆまぬ向上心につながります。

ある意味、「大当たりの興奮と快感を知ってしまったギャンブラー」もこんな状態なのかもしれませんね。

良いことを教えましょう。

「スイートスポットに入った感覚がわかるからこそ、うまく入らないときに苦しむ」と言いましたが、トレーニングによって「入る精度」が高まっていきます。

まるで良い発声の形が「体に馴染む」ように、「入りやすくなる」のです。

まるで「良い共鳴の形に合う体」に育っていくかのように。

馴染むって、なんだかいいですね。



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2017年05月29日

【声のサロン】声帯に負担をかけないのが良い発声(共鳴発声法)

今週は「声のサロン」の週ですね。

発声トレーニングしていますか?

毎日少しずつでも声を出しましょうね。

発声に使う筋肉は、発声でしか鍛えられません。

ウエイトトレーニングみたいな鍛え方はできない、ということです。

@ 正しいフォームで
A ある程度の強度で
B 頻繁に

声を出す方法でしか、発声の筋肉は育ちません。

かといって、首や喉を無駄に力ませると、声帯に負担をかけてしまいます。

すぐに声がかれたり喉が痛くなったりするのは、声帯に頼っているせいです。

声帯に負担をかけず、「パワーではなくテクニックで出す」のが共鳴発声法の特徴でしたね。

つまり、「正しいフォームで」が第1の条件。

「しっかり声を出せる場所がなくて……」という悩みも聞きますが、その場合は「できる範囲の精一杯」で発声トレーニングしておいて、声のサロンのレッスン日には思いっきり気持ちよく声を出しましょう。

「目の前の相手と会話をするときの発声」を、朗読でトレーニングしますよ。

普段の仕事中に役立つ、会話の基本的な声の出し方です。

課題曲は「Ti voglio tanto bene」(Ernest de Curtis)に入ります。

平日コースは6月1日(木)、週末コースは3日(土)にお会いしましょう。

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ラベル:共鳴発声法
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2017年05月03日

【声のサロン】GW特別レッスンをPDFファイルでどうぞ

もはや恒例となってきたGW特別レッスンを、今年もご用意しました。

発声や話し方のトレーニングをするだけでなく、あらためて考えて送っていただきたい課題もまとめてあります。

それでは、こちらのページからPDFファイルを入手してください。
   ↓
http://mf07.com/special_lesson.html

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2017年04月25日

【声のサロン】今後の課題曲

●今後の課題曲リスト

「声のサロン」会員にご連絡です。

「Musica proibita」(S.Gastaldon)をじっくり歌い込みましたね。

今後の課題曲は、次のような感じで進めていきます。


・Gia il sole dal Gange(Alessandro Scarlatti)
・Ti voglio tanto bene(E.de Curtis)
・'O sole mio(E.di Capua)
・Passione(E.Tagliaferri)
・Vaga luna, che inargenti(V.Bellini)
・Sogno(F.P.Tosti)
・Torna a Surriento(E.de Curtis)
・Per pieta, bell'idol mio(V.Bellini)


以前に発表したものから少々変更があります。

今年はかなり負荷をかけてガンガン進めていく予定でしたが、かえってあっさり通り過ぎるだけになったらもったいないので、復習も入れながら新しい曲に取り組んでいきましょう。

歌うと気持ちいい名曲ばかりです。

次回は「Gia il sole dal Gange」。

古典歌曲は歌い込むほどに良さが分かってきますね。

じっくり歌って、良い発声トレーニングにしましょう。



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2017年04月09日

【声のサロン】声の感性を育てよう

●自分感覚を捨てると伸びる

ちょっと前にこんなメールが届きました。


> 今日の先生の説明で、
> やっぱり自分感覚で練習していてもダメなんだと
> はっきりわかりました。
> 母音のイがいい音になっているなんて、
> 全然気がつきませんでした。


おもしろいもので、自分では気がつかないんですよね。

「イの色が良くなった」と言われてはじめて、「そうだったんだ」「このイが良いイなんだ」と気づく。

本人の感覚では、「良いイになっている」とは感じていなかった。

しかし、普段から丁寧にトレーニングしているから、母音イは殊更に意識をしながら発している音だったはず。

だから、気づかないうちに良い色のイになっていたんですね。

これがもし、「べつに良いイになどなっていない」と感じながら一人でずっと練習していたら、せっかく獲得した発声技術がまたズレていたことでしょう。

あらゆるトレーニングについて言えることですが、「自分感覚」に頼ると伸びません。

「聴く耳」は生まれつき持っているわけではなく、トレーニングで獲得するものです。



●トレーニングで耳が育つ

トレーニングで「聴く耳」が育つプロセスは、次の段階で進みます。

1. 良い発声とそうでない発声の区別ができる
2. 良い発声を心地よく感じる

まずは、良い声かどうかの「区別」ができる段階です。

この耳が手に入ると、一人でトレーニングしている期間に大きくズレることがありません。

でも、そこで終わりではない。

「良い声を心地よく感じる」段階に至ります。

「区別」から「感性」へと進むのです。

「分かる」だけでなく、「感じる」。

先ほどの「イ」を聴いて、「良いイだな」と自分で分かるのが最初の段階。

そのイを聴いて「気持ちいい」と感じ、そのイからズレると「なんかヘン」「気持ち悪いな」と感じるのが、次の段階。

そこまで来たら、本物の「声の感性」が育ったといえるでしょう。

ただし、「区別」にも「感性」にも共通して必要な条件が、「良い声を出す技術を持っている」こと。

「出せる」技術があって、はじめて「これでいい」と確信が持てるし、その判断に説得力が出る。

「良い声が出せる」技術を目指してトレーニングしましょう。

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ラベル:声の感性
posted by テノール齋藤 at 19:29| Comment(0) | 声のサロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする