次回のレッスンまでしばらく間があるので、宿題を出しましょう。
声の能力を底上げするトレーニングです。
特に、
・「えっ?」と聞き返されやすい
・いつもがんばって声を出している感覚がある
という方に有効なイメージトレーニングです。
やり方は簡単で、「相手の向こう側」をイメージします。
実際の距離よりも少し余裕を持ってイメージして、「相手の後ろにいる人に話しかける」ように声を出してみてください。

相手があなたから1mの距離にいるとしたら、その向こう側(相手の後ろ)にいる人をイメージして──距離にしたら1.3mくらいでしょうか──話しかけます。
うまくイメージできると、発声器官が自然に1.3mに対応した構えになって、1mの相手には余裕で届く声が出るようになります。
●距離のイメージを忘れやすい
発声や話し方に少しでも意識のある方なら、「相手に届けるように」「ボールを渡すように」といった表現で、届く声のコツを聞いたことがあるものです。
ところが、距離のイメージがつい薄くなって、「ただ言葉を発するだけ」になりやすい。
接客の仕事で目の前のお客さんと話すとき、気持ちに余裕があるうちはいいのですが、忙しくてバタバタしてくると、つい「決まった言葉をとりあえずしゃべるだけ」になってしまう。
そんな状況で「えっ?」「なに?」と聞き返されたり、上司から「もっと大きな声でしゃべって!」と叱られたりすると、焦ってパニックになりかねない。
だからこそ、がんばらなくても余裕で届く声が出るように、「相手の向こう側」のイメージを癖にしてしまえばいいのです。
空手で突きを入れるとき、「背中を突け」と言われます。
お腹の表面を打っても、ペタンと当たるだけで、突きが浅くて効きが弱い。
お腹側から打っているのに、胴体を突き抜けて、まるで背中側の皮を内側から打つようなイメージで突くと、深くてドスンと効く突きになる。
発声も同じです。
相手の顔の表面に話しかけるのでは、浅すぎる。
後頭部に、さらにその向こうに話しかけると、深い突きのように確実に届きます。
次回のレッスンまで、話す機会があったら必ず、「相手の向こう側」に話しかけて、その感覚を癖づけしていてください。
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