2017年11月27日

【声のサロン】トレーニングの成果を出し続けるコツ

●トレーニング成果が感じられないときは

発声トレーニングも、あらゆるトレーニングと同じように、停滞期があります。

成長が自覚できず、トレーニング成果が感じられず悩む時期です。

スランプと称されることもあります。

人前で話したり、ステージで歌ったりする本番を目指して練習している時期にスランプを感じると、焦ったり弱気になったりして、切ないですね。

下手をするとこの時期にトレーニングが途絶えてしまい、今までの積み重ねを台無しにしてしまうこともあります。

というより、高いレベルの技術を身につけている人は、この時期を事も無げに何度も乗り越えてきた人なんですよね。

今日はこの時期を上手に過ごすためのレッスンをしましょう。



●習慣化と一点集中

停滞しているように感じられる時期にも、適切な練習をしていれば、必ず成果の積み重ねになっています。

積み重ねが水面下で起きているので、変化が外に見えない(実感がない)から、本当にこれで大丈夫なのか、練習が空回りしているのでは、と不安になりやすい。

しかし、誰でもわかるように、練習がストップすれば、伸びは必ずストップします。

変化が大きい初期は、「変化の実感」がモチベーションになるから、継続が簡単です。

上達が進めば進むほど、一日分の変化が微小になっていく。

だからこそ、「変化の実感」に頼らないトレーニングが必要になってきます。

そのために必要なのは、練習の「習慣化」です。

毎日どのタイミングで発声練習をしていますか?

朝起きたとき、職場で昼休み、仕事帰りに車の中で、夜に外で自転車に乗りながら、寝る前等など、いくつかのタイミングがあるでしょう。

では、そのタイミングに発声トレーニングをするのが、完全に「習慣」になっていますか?

「気が向いたら」「やりたいときに」「できればやる」では、不安定です。何かあると練習が途切れてしまいます。

熱を出して寝込んだり、仕事がすごく忙しくなったり、人間関係で大きなトラブルがあったりといったキッカケで、練習の継続が途切れてしまうことがある。

気が向こうが向くまいが、やりたかろうとなかろうと、このタイミングで必ず声を出す、という習慣になっていると、時間はかかって安定して伸びていきます。

「気が向いた日はお風呂に入る」「今日はお風呂に入りたい気分かな、どうかなと検討する」という人はいないでしょう。

毎日似たようなタイミングで、とにかく入る。

トレーニングも同じ感覚にしていくといい。

特に「仕事が多忙」は社会人として大義名分も成り立ち、言い訳にしやすいので、注意が必要です。

「年末年始はしょうがない」「年度末だから一年で一番忙しい」という具合に。

だからこそ、逆を心がけるのがいいでしょう。

忙しい時期ほど、確実にトレーニングをする。

忙しい時期ほど、仕事を終えたらスパッと切り替えて、トレーニングする。

もちろん、トレーニングのみに意識を一点集中です。

気がかりなことがあるときほど、意識的に没頭する。

「できるか、できないか」ではなく、「どうしたらできるか」と方法を考え、実行しましょう。



●一点集中力を高めていく

一点集中の度合いは、年々高まっていますか?

持てる資源とエネルギーをどんどん狭い一点に凝縮させていくと、貫通力が増して、有効な積み重ねになります。

資源とエネルギーをいろいろな活動に分散させてしまうと、注いでいるトータルのエネルギーは多いのに、効果はまるで上がらない、という状態になります。

こんな話を聞きました。以前にも取り上げましたが、もう少し詳しく。

「もう年だから、思い残すことのないように、老後は好きなことをいろいろやって過ごしたい」と、歌を習ったり太極拳を始めたりスポーツジムに入会したり水泳も体験してみたり、山に登ったり旅行計画を立てたり料理教室に通ったりお花やお茶を習ったりと、やりたかったこと、ちょっとかじったことのあることを、時間単位でスケジュールを組んで開始したのだそうです。

1〜2年はすごく充実して、「こういう老後のために働いてきたんだ」「好きなことができるって幸せ」「お仲間も大勢できて嬉しい」と感じ、スケジュールが埋まっていない時間枠を何で埋めようかと考えるのが生き甲斐みたいになっていた。

ところが、3年くらいたってみて、ふと我に返った。次から次へと広く手を出しても気分が落ち着かず、慌ただしいばかりで、「深まりがない」「成長の喜びが薄い」「達成感がなくなってきた」「関わる人が増えてストレスが増え、時間も取られるようになった」という。

一言でいうと「虚しくなってきた」。

「一点集中と継続」の大切さを心底実感したそうで、「思い残すことのないように生きたいなら、一点集中して没頭するのが一番幸せなのだとわかりました。正反対のことをしていたようです。動けるうちに気づいてよかった」と話してくれました。

まさしくそのとおりです。

年齢を比べたら私などまだまだ若造ですが、「これで行く!」「とにかく集中」という感覚の大切さは痛感しています。

あちらこちらにエネルギーを分散すると、「いろいろやったけど、何もない」になりかねない。

一点集中に絞れば絞るほど、貫通力が高まって、真の歓びが得られます。

広げずに、絞り込む。

成果が感じられないときは、絞りに絞っておいて、成果が出るまで続ける。

「まあよく飽きもせず」とまわりにあきれられるくらい、絞り込んで、続ける。

たった一つの題材でこってり朗読トレーニング、たった一曲でとことん発声トレーニング。

気づいたら、スランプなど通り過ぎていますよ。

* * *

新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室、大宮校についてはこちら
通る声、届く声の出し方の本

posted by テノール齋藤 at 23:34| Comment(0) | 声のサロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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