●「とにかく声を出す」だけでも鍛えられる
発声にも「基礎体力」があります。
みなさんにマスターしていただきたい共鳴発声法は、パワーではなくテクニックで出す発声法です。
だから、声帯に負担がかからず、年齢を重ねても声の老化を防ぐことができる。
とはいえ、「声の基礎体力」があまりに乏しかったら、テクニックでカバーしきれません。
身体的なテクニックと言われて真っ先に思い出しそうな器械体操だって、「立つのがやっと」の体力しかなかったら、基本的な宙返りすらできないでしょう。
「パワーよりテクニック」は合気道など武術にも通じますが、「歩くのがやっと」だったら技にも限界があります。
声も同じです。
いくら共鳴発声法を身につけようにも、至近距離で聞き取れないほど弱々しい声で、しかも数秒で息切れを起こすような状態では、発声トレーニングができない。
発声の基礎体力とは、肺に空気を吸い込んで吐く力や、声帯をちゃんと閉じる筋力、喉頭を適切な位置にキープする筋力(このあたりになると共鳴発声法のテクニックも含みますが)など。
ふだんからよくしゃべる人は、こういった基礎体力が高まっています。接客の仕事などで頻繁に声を出している方は、声の基礎体力は高いと思っていいでしょう。
しかし、声を出さずに黙っている時間が長い方は、声の基礎体力を高めていきましょう。
まずは難しく考える必要はありません。「とにかく声を出す」だけでも基礎体力は高まります。
それに、声を出せば出すほど、「自分の課題」も明らかになりやすい。
・よく聞き返される
・すぐ喉が痛くなる
・しゃべると疲れる
・タイミングよく言葉が出ない
・声を出すのが億劫
こういった“症状”を解消・改善していくためにも、自分の現状を見極めたい。
仕事中にあまり声を出さないなら、仕事が終わってからでも通勤中でも声を出すように心がけましょう。
●ハミングも効果的
「声を出せる環境がない」という悩みも聞きます。
そんな方は、ハミングだけでも効果的です。
ハミングとは「口を閉じたまま鼻から息を抜きながら声帯を振動させる」動作ですね。だからちゃんと声帯のトレーニングになっている。
「えっ、声帯のトレーニング? 声帯に負担をかけないテクニックを身につけたいのに」
そのとおり。それが共鳴発声法ですから。
でも、声帯は発声のおおもとです。管楽器でいえばマウスピースです。
声帯が衰えたり弱ったり老化したりしていたら、テクニックで補うにも限界があります。
つまりはそれこそが「声の基礎体力」なんですよね。
発声トレーニングとして積極的にハミングしてみてください。
ハミングは声帯のマッサージにもなります。広い音域にわたってハミングすると、スポーツ選手がスポーツマッサージをするように、発声器官の機能を回復することができます。
ハミングで出せる最高音から滑らかに(ポルタメントをかけるように)下げてきて、最低音まで来たらまた滑らかに最高音まで上げていく。
何回か繰り返すと、声帯のストレッチになります。ほら、ほぐれて気持ちいいでしょう。
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2017年07月27日
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