ちょっと前にこんなメールが届きました。
> 今日の先生の説明で、
> やっぱり自分感覚で練習していてもダメなんだと
> はっきりわかりました。
> 母音のイがいい音になっているなんて、
> 全然気がつきませんでした。
おもしろいもので、自分では気がつかないんですよね。
「イの色が良くなった」と言われてはじめて、「そうだったんだ」「このイが良いイなんだ」と気づく。
本人の感覚では、「良いイになっている」とは感じていなかった。
しかし、普段から丁寧にトレーニングしているから、母音イは殊更に意識をしながら発している音だったはず。
だから、気づかないうちに良い色のイになっていたんですね。
これがもし、「べつに良いイになどなっていない」と感じながら一人でずっと練習していたら、せっかく獲得した発声技術がまたズレていたことでしょう。
あらゆるトレーニングについて言えることですが、「自分感覚」に頼ると伸びません。
「聴く耳」は生まれつき持っているわけではなく、トレーニングで獲得するものです。
●トレーニングで耳が育つ
トレーニングで「聴く耳」が育つプロセスは、次の段階で進みます。
1. 良い発声とそうでない発声の区別ができる
2. 良い発声を心地よく感じる
まずは、良い声かどうかの「区別」ができる段階です。
この耳が手に入ると、一人でトレーニングしている期間に大きくズレることがありません。
でも、そこで終わりではない。
「良い声を心地よく感じる」段階に至ります。
「区別」から「感性」へと進むのです。
「分かる」だけでなく、「感じる」。
先ほどの「イ」を聴いて、「良いイだな」と自分で分かるのが最初の段階。
そのイを聴いて「気持ちいい」と感じ、そのイからズレると「なんかヘン」「気持ち悪いな」と感じるのが、次の段階。
そこまで来たら、本物の「声の感性」が育ったといえるでしょう。
ただし、「区別」にも「感性」にも共通して必要な条件が、「良い声を出す技術を持っている」こと。
「出せる」技術があって、はじめて「これでいい」と確信が持てるし、その判断に説得力が出る。
「良い声が出せる」技術を目指してトレーニングしましょう。
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