●良い声を身につけるコツ
昨日はフェルマータ(新潟市)で「声のサロン」でした。
会員のみなさん、着実に声が成長してきていますね。
丁寧なトレーニングを積み重ねている様子が伝わってきます。
真剣に発声トレーニングをしている姿がうれしいので、今日は「声の成長を積み重ねるコツ」をお話しします。
発声は、生まれてこのかた一度も習ったことがない、という方が一番多い。学習塾やスポーツジムとはちょっと事情が異なります。
「でも心配は要りません」とお伝えしたことがありますね。先入観がない分、まっさらなほうが素直な成長をしやすい。
私は小学生の頃から合気道に通い、学生時代に空手を始めたときに、たいへん苦労しました。というより、空手の師範に苦労させてしまいました。
合気道の動きが身についているので、空手の型を教えていただいても、動きがズレるのです。
やはり「まっさらな気持ちで一から」が伸びる条件ですね。
●ホメオスタシスの原因は「自分感覚」
発声は武道と違って、習った経験がなくても、一種の先入観を持っているケースが多い。
何十年にもわたり毎日声を出し続けてきたのだから、誰でもそれなりに自分なりの「声に対する感覚」を持っているんですよね。
だから、初めて習うはずなのに、声を出しながら自分で「あ、今のじゃダメだ」なんてつぶやく。
おもしろいですよね。「良い声」の確たる基準をまだ持っていないはずなのに、「今のは変な声」「自分の声はダメ」と自分の声について判断してしまうのですから。
実はここ、たいへん重要なポイントです。というより、声の成長を妨げる最大の要因です。
初めて教わる共鳴発声法は、慣れない発声なので、違和感を覚えるのは当然です。だからといって、自分が今まで持っていた感覚で「今のは失敗」などと判断して発声を中断したり、やり直したりしていたら、伸びません。
なぜなら、そのやり方では、結局は我流でトレーニングをしているのと変わらないからです。
声を出しながら「あ、ダメだ」と恥ずかしそうな顔をしている人に、私から「ぜんぜんダメではありませんよ。そのまま続けて」と伝えるケースはよくあります。
「あ〜」と声を出し始めても、ほんのわずかに声が裏返りぎみになっただけでピタッとやめて、「う〜ん、難しいですね」なんて言っている人に、私から「裏返りは気にせずにそのまま伸ばして」と指示することも。
つまり、
・自分感覚で良し悪しを判断してしまう
・今の段階で気にすべきでないことを気にしてしまう
この2つは、素直な成長を妨げてしまう要因なのです。
成長は、変化です。変化には「現状の否定」という痛みを伴います。
痛みがあるので、みんながみんな、スムーズに伸びていくわけではありません。
元の居場所のほうが楽なので、元に引き戻そうとする力が働くからです。
元に引き戻そうとする力を「ホメオスタシス」(現状維持機能)といいます。
変化したいなら、ホメオスタシスを引き離す必要がある。
このとき、最大の敵は、「自分感覚」。
なぜなら、自分感覚こそホメオスタシスそのものだからです。
従来の自分の感覚で「これはいい感じ」「これはダメ」「このくらいでいいかな」と判断をして、やがて元に戻ってしまいます。
●丁寧に正確に繰り返す
「早起き」という新しい習慣を身につけたいとしたら、当分は「眠いけれど、がんばって起きる」という「痛み」に耐える必要がありますよね。
「もうひと眠りしたい」「あたたかい布団から出たくない」という自分の感覚を優先したら、瞬く間にホメオスタシスに引き戻され、かつての朝寝坊さんに逆戻りしてしまう。
声も同じです。
良い発声が新しい習慣として完全に染みつくまでは、油断するとあっという間に声が元に戻ってしまいます。
たとえば、
・喉を開ける意識が弱まって、喉が詰まりぎみ
・声に無頓着のまましゃべり続けている場面が多い
・発声トレーニングの時間が最近短くなっている
・レッスン時に「今のが良い声」と褒められた声が再現できなくなる
といった状態として現れます。
トレーニングで身につけている技術が、頭で分かるだけでなく体に染みつくように、油断せず、丁寧に正確に繰り返し練習しましょう。
【声のサロン】
日時:月2回(平日と週末の2コースあり、各2回/月)
場所:フェルマータ2階(新潟市中央区上近江)
料金:月6,000円(税込)
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:共鳴発声法による話し方のレッスン
※詳しくは http://mf07.com/lecture.html をお読みください
* * *
新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室、大宮校についてはこちら
通る声、届く声の出し方の本
2017年02月05日
この記事へのコメント
コメントを書く






